第4話

「お前、安菜さんのなに?」


「は?」


対面に座ってきたけど、意味がわからないこと言い出す。


「は?じゃないだろ?わざわざお前を面接させろだなんて」


「…いや、頼んでない。空きがあると話されたけど…」


「ねーよ」


「…じゃ、もう帰る」


「いやいや!お前、安菜さんの彼氏じゃないわけ?」


「ないから。彼女はいるけどさ」


「それは、あの青上あおがみさん?」


「いや。違う子だけど」


それは元カノの名前だ。


「いやいや、亮介。安菜さんを蔑ろにしてたのか?あの有名な舞台女優なのに?」


「いや、蔑ろって?」


「お前、セフレだろ?」


「ねーわ。なにそれ。誰が言った?」


「…安菜さんが、電話してるの誰か聞いてたみたいだ。亮介って名前で呼んでたとか」


「うちの劇団では、ほとんどの人に名前呼びされてるけど」


「えー?ホテル行くとか話してたらしいけど?」


「行くわけないけど」


「いや、結構前から噂あるぞ」


「なんで…?俺が安菜さんと…ホテル?それは誰が得する?」


「…お前、安菜さんから言い寄られてんじゃ?」


「なんでだよ」

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