第5話
「いや、だってそうだろ?その電話は亮介を相手にしてたわけじゃなくて、演技だったんだろ?しかも、お前をわざわざ…直々にこの劇団に入れてくれって…」
「…えー、そうなの?困るな」
「困るなよ」
「彼女いるんだけどな」
「ちゃんと話してみろよ」
「嫌だ。安菜さんとか話にならない。仕事掛け持ちしすぎて、会話中に役になろうとする」
「…お前、そんな話す機会があるのかよ」
「そんなにはないけど」
「誰もちゃんと話したことないはず」
なんでコミュニケーション取らないんだか。
「とにかく。先輩は、俺がやっぱりこの劇団は合わないって思って面接中に帰ったことにしておいたらいいんじゃない?」
「そしたら安菜さんのプライドが傷つくんじゃないか?」
「そんなの知るかよ」
「いや、俺は話したことないんだよ。上のやつに話が来て、人事もしてる俺に伝わったわけ」
「じゃ、直接電話するよ。しょうがない」
「い、今かよ!稽古してるって!」
「休憩時間は?」
「…今頃かもしれない…でも、俺のメンツどうなる?」
「先輩も電話聞いてて」
「え!?やばい話になったらどうすんだ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。