第2話

この世界は12歳になるまでに、前世の記憶を思い出す。前世の扱いは広く、同じ世界線の過去のものもあれば、異世界の記憶の場合もある。

その記憶が思いだされるのは、人によりけりで、生まれながらに過去の記憶を持つ者も中途覚醒のものもいる。中途覚醒者の場合、周りが徐々に記憶を取り戻していくと、覚醒していない者たちは焦り始める。

小学高学年の心はナイーブなので、致し方ないが、覚醒者による非覚醒者のいじり、いじめのようなものが、起こり始める。結果、非覚醒者であることは絶対の秘密になる。

覚醒の種類は人によって違い、記憶の鮮明さも時代も世界も違う。

なので、子供たちの間の話の中で、非覚醒者が、

自称覚醒者のふりをするのは、ばれることはほぼない。それは子供たちの間のみであるが。

何故ならば毎年行われる診断のなかに覚醒者判定が入っており、それは教師、保護者、行政によって管理されている。

ただし、内容がナイーブなため、自称覚醒者について

否定をしてはいけない法律もあり、

また一部、自分を非覚醒者だと思っているが、実は覚醒していて、記憶が混濁しているパターンもある。

混濁している場合も時間がたてば、きちんと自分のなかで記憶が馴染んで認識できるようになる。

中学、高校と学年があがっていけば、覚醒していることが当たり前となるので、相手の前世について話題にすることはほとんどなくなる。

先程の授業のように自分から語りだすことはあるが。


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