ふつうって
波流
第1話
教科書を開きながら小さくあくびする。
今は歴史の時間だ。
黒板の前に立ってる教師が小難しく解説をしているが、端的にいえば、
信じられないくらい昔の本当かどうかもわからない話だ。
ただし、このクラスには、その時代の生まれ変わりがいるので、
教師の読んでいる部分に訂正を加えてる。
「先生、そこ違います。
隣のクラスの斎藤にも聞いてもらって構わないのですが、この戦いの勃発した理由は領地争いではなく、色恋沙汰です」
あり得ない話を先生は
「ほぅ。そうなのか、一旦、確認にいくから、待っといてくれ」
教科書を教壇において、そそくさと教室をでていく。
歴史の授業はこんなことが多発するので、中断が多すぎる。
パタパタとやる気なく帰ってきた教師が
「今、斎藤に確認したら、それは次のページの乱じゃないかと言ってたぞ。まぁ、こういうことも含めて歴史は学ぶ必要があるといえるな。 生まれ変わりが当たり前のこの世の中で、みんな自分の記憶を当てにしても、このように記憶違いをしていることもあるからな
」
長々と話してはいるが、毎度同じ締めをいう。
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