第36話
「いや、つまりその、なんだ。私も初めてのことだからあれなのだが……つまりそれは、人間というだけでなく子供という風に扱ってほしいという要望……ですかな?」
人間として扱ってほしいとはあまりにもひどい文言だと思うのだが。人外扱いは確かにされてきたわけであるがあくまで噂話程度で正面から……いや、まぁ正面から私に対して距離をとる人が多いのは認めるが。
あくまでも性格うんぬんの話であり、流石に人外判定を貰うとは思っていなかったわけである。挙句要望とかまるで人類の上位種が人間ごっこしているのをそれとなく身分証を与えてサポートしてるみたいじゃないか!
……いやまて? そうなのか? 本当にそういう事があって、本当にそういう組織なのか? まぁ確かに伝説の英雄とか明らかに今のところ見た人間の常識ではありえないくらい強いけども。
いやまぁ、戦い方とかシステム面の問題だと思うのだけれどもな? 現に私は通常の人間なわけだがそのような疑いをかけられる程度の強さにはなっているわけだし……いや、人間だよな? ちょっと疑わしくなってくるからそういうのはやめてほしい。
ともかく、向こうとしてはまず人外が人間のふりしておれつえーする遊びをサポートという名のコントロールとかする組織で、今回はどう考えても人間じゃないよね判定した奴を呼びつけたと思ってるわけか?
そして今は子ども扱いしろとか言われているので、本当に子どもだったらよっぽどの高位種族なんじゃないかと思って更に対外的な威厳より敬語使った方がいいかな的なものが最後のですかなに集約されている、と。
……全部勘違いだったらいいんだけどなぁ! いや、確かにこの世界には魔物なんて言う明らかに一般人では太刀打ちできない化け物が多いのに、更に強さの上限をインフレさせるような連中が居そうな情報なんて知りたくなかっ……いや、まぁ知っていた方がいいか。
というわけで、いやまさか要望だなんて、ただの子供にへりくだらないでくださいよ勘違いですけどまさか私みたいに人外だと思われてる冒険者とかっているんですかねぇははは、といったようなジャブを仕掛けてみる。
「なるほど……いや、有名所でいえば冒険者では無いものの帝国の筆頭騎士シグルズ卿や教国のゲオルグ卿はそうだと言われておるな。冒険者の中にはベオウルフ殿などは今もまだ活動している生ける伝説だが、こちらも知らないかね……そうか……」
聞いたことのあるような名前ばかりなので、やはりゲームの世界的な所の強キャラポジションなのだろうなとは思うのだが、だからといって知っている判定としては知らないが正解だろう。
というか記憶が確かならそいつら全員ドラゴンとか倒していた気がするのだが……この世界でもその辺りが一つの基準だったりするのだろうか。
劣化品とか空飛ぶトカゲもどきと評判のワイバーン君なら確かに最近地面の染みにしたが結構ギリギリだった印象もあるし、流石にドラゴンともなれば更に化け物だろうからまだ相手したくないんだが。
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