第33話
魔物にも知性はあるんだろうな、という事をふと思ったのはイナカーノ街に来てから約1月、街へ襲撃してこなくなったライオン君を洞窟に追い込んで地面の染みに変えた時であった。
サイクロプスよりなお強い魔物扱いなだけあり、無事に攻撃回数も増えた事は非常に喜ばしい事であり、逆に言えばヘーンキョの街に居座る理由が薄くなった……というかほぼ無くなった感じがある。
この世界で1番難易度の高いダンジョン、が果たしてどれなのかは全然判明しておらず割と難度不明のダンジョンは多いし、街がやばいレベルの今回のような
いや、余りにも段飛ばししようとすると非常に危険なのでワンステップづつ踏んでいきたいのだが、ある程度の強さ以上を全部計測不能扱いにするこの世界の情報ではそれも少々難しい。
鑑定スキルとか知っているゲームの世界というが如何にチートというか、正確な情報というのが如何に世の中を簡単にするかがよく分かるというものだ。
その上新たに判明した事といえば、どうやら魔法にも耐性というか、防御回数というか、そういうものがあるということだ。
いや、おそらくあるだろうなと思い毎日MPの限りに自分自身に電流を流していたのだが、ある日ふとLPが減らなくなり、また減るようになり、また減らなくなりといった変遷を辿ったのである。
名前:( )
性別:男
年齢:15
LP:100/100
MP:0/100
筋力:33/33
体力:36/36
技量:39/39
俊敏:40/40
魔力:14/14
知力:20/20
教養:150
ステータスも順調に育っているなと感じるが、魔法1発での消費MPが一時期9まで減り、今はまた16なことを考えると少し見えてくるものがある。
正確な計算式は分からないが、100から変動しないLPと MPの最大値を考えるにこれらの数値はパーセンテージ、百分率での表示なのだろう。ゲージしか見れないよりはマシだが大分大雑把な把握になるタイプのUIである。
加えて魔法の消費が少しずつ減った後にまた元に戻った事、特に手を抜くというか『1発分』位で撃つと消費が8なのを見るに熟練度掛ける事の基礎消費が魔法の消費で、魔力が最大MPに大きく関わってくるのではないだろうか。
初級雷魔法だなんてわざわざ初級と入れてあるからには、とりあえず基礎消費を1と仮定すれば16%なら9発、当初の魔力が9だった事を踏まえれば辻褄が合う。いや、小数点云々や内部数値は1000単位みたいなことがあれば細部は違うだろうが、そこまで精緻な検証をしているわけでもない。
まぁうっかり一致してしまったが故にバイアスかかっている可能性はあるが、今の所不都合のない仮説なので否定することもないだろう。その上で今の魔力14ではMPが消費から逆算すれば18になるわけで、差の4はどこから来たかという話になるが。
強いていえば魔力10まではMP1、11からはMP2増えてるとすればピッタリなので何となく見えてきた感じはある。
というわけでステータスの見える範囲は置いておきつつ、見えない範囲である今の私の熟練度を数値化すれば攻撃回数が10、雷魔法が2、物理防御回数が7か8以上、魔法防御回数が2という所だろう。
ライオン君が攻撃回数7か8、防御回数7的な所を踏まえて私的難度8としておくとすると、次の目標は攻撃回数8か9辺りで私的難度9的なポジションが効率良いのだろうが、安全面を考えればもう少し下のギリ測定不能じゃない難度が良いだろう。
いや、まぁ世間一般の評価で言えば既に測定不能な訳であるが。9以上をまとめて一括りにするからそうなるのであってこればっかりは私ではなく世界が間違ってると言いたい所である。
その上で魔法攻撃をしてこない奴。あるいは弱い魔法攻撃を延々としてくる魔物がわんさか出てくる地域というのも有りだろう。弱点を残しておくというのも怖いというか、魔法的に強い奴に1発で地面の染みにされる危険性は無くしたい。
あまり弱い攻撃では数を増やしても効率悪いだろうからセルフ耐久上げも良いのだろうが、今は数値が低いから数が多い方が効率良い……いやしかし魔法熟練度を踏まえれば最終的な効率は変わらない……? うーむ……
まぁとりあえずは金銭面の心配も無いし、俺より強いやつに会いにいくの精神で色んな所を転々とするのが良いかな! ……ワープとは言わずとも新幹線や飛行機が欲しくなるな……
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