第30話
毎日リポップしてくれるサイクロプス君から単品で20万円ほどで引き取ってもらえる魔石と、週一程度で復活する宝箱。金銭面でも今まで以上のペースで稼げるようになったので、これで私もいっぱしの冒険者というものだろう。
初日こそ帰りがいつもよりだいぶ遅くなり帰ってきたらお通夜ムード……ってほどでもなかったのはまぁおいておくとして、少なくとも受付嬢に関してはどんよりからの心配からくるお叱りを受け。翌日は加速した攻撃ペースと上がった攻撃力のおかげでこれまで以上の速度で帰ってくる事に成功した。
戦闘時間こそ少なくなったとはいえ、私の予想ではより強い魔物との戦闘の方が熟練度が溜まるのであるから蟻の群れに延々と殴られるよりもサイクロプス先輩に延々と殴られる方が成長が早いので今まで以上に成長できるだろうと考え。
予想を裏切らず、1月程度で攻撃がより『重く』なる。武器の性能も相まって今ではカマキリまで1撃で確殺できる程であり、サイクロプス先輩も最短で30分保つことなく地面の染みになる程である。十分に長い気もするが初回は逆算すると2、3時間経過していたので圧倒的に早い。
どうにも新しい剣は電気属性のミスリルの剣であり、その攻撃力は属性抜きでも大斧並み、属性まで乗ればひとしおという訳だ。数値で言ったら攻撃力45くらいある上に属性30くらい乗る的な。まぁ数値に関しては完全に適当だが、売れば数千万レベルの剣なのは確かである。買うなら? 億行くのではないだろうか。
とはいえそれから4回開けた宝箱から毎回同じレベルのものが出てきたわけではなく、ポーション2本にブレスレット、盾が出てきたのである。
ポーションは合計で300万円、ブレスレットは付けたところ知力が21になったので1500万円くらいで売却。盾は未だに木の盾を使っていたのでそのまま私が使うものにした。
鎧どころか未だ旅人の服であるが、正直な話防御力は要らないんじゃないかとすら思えている現状変に重い物を装備するよりは今のままでいい気がしている。いやまぁ側から見れば何を言っているんだこいつは案件ではあるが。
おそらく無抵抗クリーンヒットした場合サイクロプス先輩どころかカマキリ、下手すればヘビ辺りも私を一回で地面の染みに還せるのではないかと思うので確かに狂気の沙汰に見えるが、要らないものを不快な思いして着けるよりは、ねぇ?
まぁこれで一端の冒険者を名乗れるだろう、などと前世でいう勘違いものの主人公であれば素でいうのであろうが、まぁ控えめに言って一端どころか一廉だろう事は理解しており。
あれ、僕なにかやっちゃいましたなどと言えば確実に突っ込みが入ること請け合いではあるが、まぁ周囲の評価より能力の絶対値を増やす方が重要だと思うのでこれからも引き続き頑張っていこうと思う。
……サイクロプス束で出てこないかな……
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