第28話
そういえばもうじき1年が経つのか。そう思ったのはステータスの数字が変動したからである。
名前:( )
性別:男
年齢:15
LP:100/100
MP:100/100
筋力:32/32
体力:34/34
技量:37/37
俊敏:39/39
魔力:8/8
知力:19/19
教養:150
いつの間にやら年齢が15になっており、よくよく考えてみれば360日くらいは経過したのだなぁと思う。元の世界では365日基準で1年だったので、この誤差が適当に数えた日数の間違いなのかこの世界の1年のカウントが違うのかはわからない。
「いや、お前1年は360日だろ。……やっぱり常識……」
わからなかったので暇そうな冒険者を捕まえて聞いてみれば、どうも切りのいい数字らしい。となればこの身体はあの日に14歳になったという事だろう。なんだろう、14歳になったら記憶を取り戻すタイプの転生者だったりしたのだろうか。
しかし生憎と神様だの悪魔だの、上位存在に遭遇した記憶はないのでさっぱり分からない。ついでに名前と14年分の記憶についても行方不明である事は言わずともわかることだろう。
いやしかし、ステータスをみるとあの日と比べて見違えた……いや、正確な数値は覚えていないので大体10とかそこらだったように思うのだが、ざっと3倍くらいにはなったのではないだろうか。
ついでに言えば木剣1振りしか出来なかった頃に比べ、今ではミスリルソード7連撃という圧倒的な進歩である。装備まで同条件ならこの街最強というか、受け流しも含めて誰にも負けないのではないだろうか。
そんなわけで自信をつけつついつも通りダンジョンに潜ったわけであるが、奥へ奥へと潜っていくうちにどことなく重々しい雰囲気のやたらでかい扉、というかボス部屋ですよと主張する場所にたどり着いた。
たどり着いてしまったのでまぁ入るしかないよなと、扉を押し開けて入ってみたところ。堂々と構えていたのは単眼の巨人であった。サイクロプスとかそういう系のやつであろう。
手に持っているのはこん棒かと思いきや殺意高めの金属製とげ付きメイス。人を見た瞬間に一人だとみてにちゃりと笑いながらゆっくり近づいてくるのを待っているあたり、即逃げされない距離までおびき寄せようという意思を感じる。
と、いうわけで。当然のように扉を閉じてさっさとダンジョンを戻っていく。そろそろ帰らないと夕食の時間がずれてくるのであるし、初見の明らかボスモンスター的な強そうな魔物相手に突っ込む蛮勇は持ち合わせていない。
帰ったら飯食べて情報収集だなぁ。そう思いながら蟻の群れに突っ込んでいくのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます