第26話
ダンジョンの奥へと潜っては、日の暮れぬうちに街へ帰る生活。延々と武器を振るい、盾で受け流し、落ちた魔石を回収する。宝箱は正直今のレベルの武器程度しか出ないのであればそんなに熱心に探す気も起きず、同業者が回収するに任せる。
毎日沸く魔物と違いリポップ頻度も別に毎日というわけでもないらしく、おおよそ1週間に1回程度。そりゃぁ冒険者がダンジョンに週一でしか潜らないというものである。私の目的は魔物なので問題はない。
とはいえ沸きなおしよりも若干ではあるが地面の染みになる速度の方が早いのは外と同じらしく、じわじわと深く潜れるようになっていった結果。また新しい魔物が出てくるようになった。
最初に出てきたのは身の丈ほどもある、というか今の私より一回り大きいカマキリである。当然の権利のように両手の鎌で6連撃を繰り出してきたときは少々肝が冷えたが、いつの間にやら平然と受け流せるようになっていたので問題はなかった。
他にもやたらでかい蟻やダンゴムシなど、昆虫だらけになっていて正直虫とか嫌いな人間だったら卒倒していたのではないだろうか。小さいのがうじゃうじゃしてるのが苦手なだけなら大丈夫かもしれないが。
そんな魔物たちも延々と地面の染みに変えるようになり、更に先に進むには攻撃力とか一回の潜りで費やす時間が足りないというのがわかり始める。まぁ単純計算でいえば4人パーティーの4分の1、25%しか無いのだからある意味当然か。
極力戦闘時間を短くすることでより深く、価値のある宝物が出るところまで行きより良い物を持ち帰って大金を稼ぐ。そうなるのもある意味で当然だったのだなぁと再発見しつつも今の生活は変えず。
私は金が欲しいのではなく安定して安全に強くなりたいのである。いや、金があればより良い装備を手に入れて一瞬で強くなれるのは確かなのだろうが、それで逆に成長が遅くなったり成長できなくなるのは駄目であろう。
日々食うのに困らないどころか、普通に生きていく分には毎日豪遊しても余裕の収入こそあれこの世界にはまだまだもっと強く恐ろしい魔物が存在しているのである。であるならば、もっともっと強くならねばなるまいと思うのは当然のことだと思うのだがなぁ。
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