第6話
弾け飛んだスライムだったものの残骸から豆粒程の魔石という名の石ころを回収しつつ、ステータスを確認してみる。
名前:( )
性別:男
年齢:14
LP:83/100
MP:100/100
筋力:10/11
体力:14/16
技量:10/10
俊敏:12/13
魔力:8/8
知力:15/19
教養:150
変わらず空欄の名前はさておくとして、LPの部分が減っている。記憶が正しければ100だったはずの数値が83になっているという事は、スライムの体当たりで17削れたという事だろう。予想が正しければ単純計算であと5回同じものを食らえば私も地面の染みになるという事だ。
逆に言えば普通なら1発も食らえば戦闘不能になるだろう想像の出来る攻撃を受けても5発までなら耐えられる、という事である。いや、当然ながら更にヤバい攻撃等が無ければの話だ。慢心して弾け飛ぶのは愚かと言わざるを得ないだろう。
逆に、私の棒振りの方はどうなのだろうか。会心の一撃とは言わずとも素人ながらに全力の一太刀であったが、最弱と言われる生き物相手に2発必要というのは道具も技能も不足している証左であろう。
ステータスを見た感じで言えば最低の魔力の倍ある体力と更に上の知力、その他平坦に近い筋力その他を見るになんというか、魔法使いや戦士よりは僧侶とかに近いのだろうか? とはいえ魔法や奇跡など欠片も使えそうにないのだが。
つらつらと考えていても仕方ないと、ポーチに魔石を仕舞い歩き出す。取りあえずはスライムを5匹、あるいは4匹や6匹になるかもしれないが、取りあえずは命大事に、安全マージンを確保していきつつも限界までは行きたい。
また2分も歩けばぽよんべちゃりと跳ねるスライム。今度は野球のバットをスイングするように思いっきり横向きに剣を振るう。当然の事であるが先制攻撃だ。すり抜けた剣を切り返すなどという高等な事は出来ずに胴体に反撃を食らう。
変わらず2発で弾け飛ぶスライムと、68まで低下したLP。低下量15から察するに個体差があるのか、それとも当たり所や体勢などの影響か。とりあえずまだサンプルは2つしかないわけで、これらが下振れでない確証はない。
というわけで、結局その後追加で3匹のスライムを地面の染みと豆粒サイズの魔石へと変え、逃げるようにして街へと帰るのであった。
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