第11話 ジャウラ町での再会
移動する間にレイから昔話を聞いた。
彼女の田舎で生まれ小さい頃に道端に落ちてた竹刀を遊び道具にしたのが剣士としての始まり、そこから魔物を倒したり自分より年上の大人を倒したりして気づいたら天才と周りから言われていたがその後は色々あって家を出たとの事。
どうして出たのかははぐらかされた、気にはなったが無理強いはしなかった。
会話の中ではレイとザランの関係についての話も聞いた。
「――へぇ、ザランは何度か依頼で同行したことがあったのか」
そういえばザランも剣士だし、同じ剣士同士で波長が合うのかもしれないな。
「しかし......ここは外界から隔離されてるなぁ......」
四方は山に囲まれ、外部に通じる陸路も整備されていない為にちょっとした天災でもダメになる事が想像できる、電話なんてここじゃあ通じない。
「何かあったら大変だな地元の魔導士じゃあ戦力にならないだろうし」
「ここの魔導士は戦力的には良くてC級くらいだもんね......こういうのも見越してS級を二人派遣したのかもねぇ」
魔導士は必ずしも魔導協会に所属しているとは限らない、国家に所属する魔導士だっているしどこにも属さない魔導士もいるから独自に解決という事も出来るが......まぁ実際のところ魔導協会の方が組織的に大きくて魔導士も圧倒的に多い、だからこういう仕事が来る。
「......S級魔導士って誰が来てるのかは知ってたり?」
「確か......サルザー=ライゾール」
「サルザー」
「あ、知ってるのかな」
残念、知らない。
「後は――ぁ」
レイが何か言おうとした時――
「サルザー=ライゾール、良い方ですよ?」
「――その声は」
もしかして。
「ガルス君、どうもです」
静かに微笑むソフィア=ベルバスターである。
「この流れつい最近もやりましたよね?」
「......ふふ」
かわい子ぶるんじゃない!
「前回はともかく今回は偶然ですよ、元々は別の方が行く予定だったのですが、急遽私になったのです」
レイの方を見ると確かにソフィアがいて驚いている様子だ。
「いまさっきまで遺跡の観察をしていたのです」
「そのサルザー君は何処に?」
「もう来ますよ」
ソフィアの指さす方へと赤い長髪が風になびかせながら歩いてくる男が一人......すっごくヘトヘトしていた。
「......はぁ......はぁ......つかっれた......」
「こっちですよサルザー君、後輩もいますよ」
「ちょっと待ってくれ......」
サルザーは息を整えると再度挨拶した。
「俺ぁはサルザー=ライゾール、S級魔導士として活動している魔導士だ、最近では『マーク島解放作戦』で活躍したぜ」
『マーク島解放作戦』――それで思い出した。
魔導協会に敵対する組織がマーク島を拠点に反魔導協会の魔導士を育成していたがそこを魔導協会が強襲し解決した、その強襲の作戦名が『マーク島解放作戦』
「ようやく集まりましたね、宿にいるザラン君の所へ一度戻って今回の依頼について話しましょうか」
ソフィアはそういって俺は宿まで戻る事にしたのだった。
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