サービスマン、待ち合わせる
喫茶『マンハッタン』は大輔が通う高校から
というのも外壁に
「ごめん、お待たせ」
大輔は店に入ると、そう声をかける。
店内は昔ながらの純喫茶のようなレトロ感が強く、高校生が気軽に
「いえ、大丈夫です」
九重さんが柔らかく笑んで言う。
「むしろお忙しいところにお時間いただいて──えと、うん……ありがとう、ね?」
「どういたしまして」
またもや
大輔は照れてしまったのを誤魔化すように、彼女の手元へと注目する。
「何飲んでるの?」
「えっと、ミルク紅茶です。美味しいですよ」
喫茶店を待ち合わせ場所として提案した
彼女の対面に座ると、品書きを見てから自らも注文する。「クリームソーダをください」
「
「ん、ああいや。ウチの高校の生徒もよく使ってる店だよ。みんなもっぱら秘密の相談なんかあるときに使ってる。恋の悩みとかさ」
「喫茶店を、ですか?」
「そんなにびっくりするようなことかね?」
「え、いや……前に住んでた街では同級生はみんな……そうですね、言われてみれば。ハンバーガーやドーナツ屋さんに行ってる人もいましたね。私はあまり、放課後の寄り道には参加しない人間だったので」
九重さんは「なんだか新鮮です」と言って手に持ったカップに口をつける。「あ、やっぱり美味しい」と息をつく様子は、どことなく嬉しそうな気配を感じた。
「それはやっぱり妹さんのこともあって?」
「そう……ですね。改めて考えると、そんな理由もあったと思います。あっでも! 嫌だったとか後悔してるとか、そんなことはないですよっ。ただ、ひまりも一緒にこの店に来れたら素敵だろうなって──」
「なるほど」
失言したとでも思ったのか、慌てた様子を見せる九重さんに、心配しなくともそんなことを
そこまで会話が続いたところで、大輔の注文したクリームソーダが提供されてきた。大きめに
これからは本題に入ることになる。
「それじゃあ、妹さんの『呪い』について説明しようと思うのだけれど──その前に一つだけ」
「はい」
「これから
信じるか信じないかは相手の自由ではあろうが、おのれの
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