第3話再開の扉
しばらくして病院から許可が出たのでともちゃんと一緒に病院にお見舞いに行くことに。病院から許可を貰うまでが、
私にとっては長く感じた。お姉様に会えるのが待ち遠しい気持ちと、お姉様の身を案じて色々な想像をして、不安に押しつぶされる気持ちが交互に押し寄せてくる。
ただともちゃんは、お姉様と連絡取り合える仲だから、何かあればともちゃんから言ってくるだろう。ともちゃんから何もわたしに報告されないと言う事は、お姉様に何事もないってことだけど、連絡取り合える仲なのがちょっと嫉妬の気持ちが湧いた。
ともちゃん月宮さんに変な事言ってないよね?病院に着く前に色々、ともちゃんとお話しした。
変な事ってなぁに?もしかして明日香ちゃんが瑠璃の事好きって気持ち?それは言ったから大丈夫!それとなく言ったから。
他にはねー。
ストップ。私はともちゃんちょっと無神経じゃないかと怒った。
ごめんなさい。ちょっと無神経だったかも。私は2人のこと応援しようかと。
ともちゃんは、泣きそうになりながら言った。
ちょっと私泣くよ。そんな顔しないで。
ごめん私も言い過ぎた。
こんな気持ちでお姉様に会うのは、まずい。
私は気持ちを切り替え様と思った。
それにお姉様と私は、私はお姉様ラブだけど、お姉様は違うんだよ。ともちゃん。
私達は、病院への道のりを黙々と歩いた。それほど遠くない病院で良かった。もし遠くの病院だったら親に頼むか、タクシーを使う必要が出て来たかもしれない。
それでも緊張と不安で道のりが遠く感じた。
後少しだね明日香ちゃん。
ともちゃんが横から声をかけてくれた。
ともちゃんの優しい声が私を安心させてくれる。
大きな真っ白い立派な建物が、視界に入ってきた。ついに病院に着いた。
私達は早速受付のお姉さんにお姉様のお見舞いに行くことを伝え、必要な手続きをして、
許可を貰った。
私達2人は、お姉様の病室番号を入念に確認して、エレベーターが降りてくるのを待った。エレベーターの音がなり、病院の独特な匂いが鼻に入って来た。そして私達はエレベーターに乗った。
お姉様に会える。高まる気持ちを抑え、エレベーターから降り、病室を確認しながら、私達はついにお姉様のいる病室の前に来た。
病室のドアノブを手に持った瞬間、手が震えた。緊張感がわたしを襲った。
明日香ちゃん大丈夫?そんなに緊張しなくても。ともちゃんが心配そうに言った。
うん大丈夫。私はともちゃんの声で緊張が柔らぐのを感じた。私は、病室の白くて大きなドアを開いた。
そして私達はお姉様を探した。受付のお姉さんから聞いた、ベッド番号を確認した。
ここだね。カーテンを開けてついに会える。
ここだ。ともちゃんが横から一気にカーテンを開けそうにしてた。
待って、私はともちゃんを止めた。
分かった声かけてから開ける。
やぁ久しぶり。会いたかった。ともちゃんがカーテン越しに元気に言った。
カーテン開けて良い?ともちゃんが聞いた
その声は、神宮寺さん。来てくれたのね。
どうぞ。
お姉様の声だ。
久しぶりに聞いたお姉様の声、耳まで幸せになる。
そしてお姉様との再会。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます