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4人でしばらく雑談した後、凛さんが上手に切り出した。

いつものような優しい顔で全く緊張していない様子で。




「悠さんと結婚したいと思い、本日はご挨拶に伺いました。」




その凛さんを見て、私は笑った。




「ネコネコ!!ハナビ抱っこしたままなの!?」




「全然動かなくて・・・。

生きてるかな!?」




凛さんが急に焦りだしハナビの身体に耳をつけ大真面目な顔で頷いている。

それを見て私もお父さんもお母さんも笑った。




「悠から、我が家の状況のことは聞いているんだよね?」




「いえ、悠さんからは詳しくは聞いていません。」




「・・・え、そうなの?」




お父さんがめちゃくちゃ怒った顔で私のことを見てきた。




「凛さん!説明下手だから!!

いつも口で仕事してるのに!!!」




「・・・下手だったかな?ごめん。」




「お兄ちゃんから聞いたって!!

お兄ちゃんの剣道部の先輩でもあるの!!

“葛西パイセン神”ってよく連呼してたじゃん!!」




私が叫ぶように説明するとお父さんは少し驚きながら凛さんを見た。




「葛西先生って・・・あの葛西先生であの葛西さんのお宅の葛西さんで、葛西パイセンでもあるのか!」




「それもうよく分からんないから!!」




お父さんだけは驚いた顔で1人頷いていて、それ以外の3人は笑った。

相変わらずハナビは凛さんの腕の中で寝ていたけど。




笑いが引けた後、お父さんが真面目な顔をして先生を見詰めた。




「幸い、我が家にはお金がありますので。

僕やお母さんのことは気にせず、悠のことだけをお願いします。

迷惑を掛けないように生きていきますので。」




お父さんがそんなことを言って深々と頭を下げたので、文句を言おうと口を開けた。




その時、ハナビが急に起きてテーブルの上に飛びのった。

そしてテーブルのど真ん中で丸まって寝始めて・・・

しばらくみんなでそれを見て・・・




凛さんがいつもの優しい笑顔で切り出した。




「僕の方こそご迷惑を掛けてしまうと思うのですが、大丈夫でしょうか?」




「迷惑、ですか・・・?

葛西先生が・・・?」




「僕はこの4人の中で、もしかしたらハナビよりも1番弱くて頼りなくてしっかりしていません・・・。」




それには笑う。

だって凄いションボリしているから。




お父さんもお母さんも首を傾げているから説明した。




「さっき凛さんの弟の奥さんにバッタリ会って、その奥さんに嫌われてるってだけで結婚やめようとしたくらい弱いんだよね。」




お父さんもお母さんも驚いた顔をしていて凛さんを見ている。

色々と面白すぎて1人で笑った。




「あと、悠さんは知っていますが僕は優しくもないです。」




「本当に!!めちゃくちゃ怖いから!!

優しい顔で優しい言い回しをしてるだけで、めちゃくちゃ攻めてくるから、色々と!!」




私がそう叫ぶと凛さんが小さく咳払いをしたので、慌てて口を閉じた。




「まだ続きます・・・。

僕はきっと、悠さんに何かあった時に使い物になりません。

お母様はご存知かと思いますが、あんな風に泣いて使い物にならないはずです。」




「すごぃ、ないてたの。」




お母さんが面白そうな顔で笑ってお父さんに当時のことを一生懸命説明している。

その説明は・・・数日前より遥かに話せていて内心驚いていた・・・。




お母さんの説明を凛さんは照れながら聞いていて、お父さんは驚きながらも聞き・・・最後は微笑ましい顔で凛さんを見ていた。

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