8

翌日・・・




「おはようございます!

先生、昨日はありがとうございました。」




悠ちゃんは元気に出勤してきた。

いつものように普通に、元気に・・・。




「お母さん、1人で大丈夫なのかな?」




「ヘルパーさんにも話してありますし、泣いてはいますけど、それで自分も死にたいとは思わないそうなので大丈夫です。」




そんなことをサラッと言って少し戸惑った。




「何かあったら、すぐに俺に連絡をして?」




「先生に?何でですか?

・・・あ、相続とかそういう系はいつかお願いしたいですね。」




悠ちゃんは笑いながらそう言って・・・。




「今、彼氏いるのかな?」




「別にいませんけど。」




「好きな人は?」




「別にいませんね。」




「そうなの・・・?」




それには驚き悠ちゃんをよく見る。

悠ちゃんは何でもない顔で笑いながら仕事を始めた・・・。




勘違いだったらしい・・・。

俺のことを好きだと思っていたのは、俺の勘違いだったらしい・・・。

















「悠ちゃん、何が好きなのかな?

一緒に食事でも行こうよ。」




あれから悩みに悩んで、数日経ってから悠ちゃんを食事に誘った。

そしたらアッサリ断られて驚いた。




それから毎日のように食事に誘っている・・・。




なのに・・・




「好きな物は特にこれといってないですね。

他にも誰か行くんですか?」




「2人で行こうよ。」




「無理ですね。

先生と2人でご飯に行く理由もないので。」




こんな風にいつも言われてしまって・・・。




焦っている。

俺は焦っている・・・。

いつも近付いてくる女の子とばかり付き合っていたから、どうやって女の子と近付けるのか俺は知らなかった・・・。




「悠ちゃん、あの・・・」




悠ちゃんの肩に手を伸ばそうとした時、その手を軽く払われ驚いた・・・




「私に触らないで!!!!」




急にそんな大きな声を出され驚いたけど、笑ってしまった。

だって顔も真っ赤で泣きそうな顔をしていて・・・物凄く可愛かったから。




「アンタに頑張られるってことは、私が良い女じゃないってことなの!!!

分かってるの!!??」




そう怒っている顔も物凄く可愛かった。

とにかく、物凄く可愛かった・・・。







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