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花火の音が煩いくらい鳴り響く中、家に帰った。

テレビの音が聞こえるか心配になるくらい煩い。




「ただいま~!!!」




花火の音が煩かったのでいつもより大きな声で言った。

お母さんの声が聞こえなかったけど、電気はついている。

花火の音で聞こえないのかと思いながらリビングに入った。




「お母さ~ん?」




リビングにはお母さんの姿はない。

でも、電気はついていて・・・。

マンション内にあるゴミ捨て場とかに行っているのかと思い、気にせずテレビをつけてソファーに寝転がった。




そして、気付く。

大音量にしてバラエティー番組を見ながら笑っていたけど、お母さんが全然帰ってこない。

それに・・・




「お腹空いた!!!」




ソファーから立ち上がり冷蔵庫を開けると、冷やし中華に盛り付けるであろう具が綺麗に切り揃えられお皿に入れられていた。




「今日は絶対冷やし中華の気分!!

母親こわ~!!」




そう言って1人で笑い時計を見てみると20時過ぎ。

お母さんは専業主婦で・・・。

私が家に帰って来た時には必ず家にいた。

そこからママさんバレーに行くことはあっても、家に帰る時は必ずいた。




でも、今日は花火大会で・・・




「私が断ったから友達と行っちゃったのかな?」




そう思い、自分で冷やし中華の麺を茹でた。

普段は家事なんて何もしていないけど、お母さんが少し体調が悪い時はやっていた。

なので一応一通りは私でも出来た。





綺麗でも何でもない、盛り付けたというよりただ具材をのせた冷やし中華を食べる。

お母さんには申し訳ないけど、味は全く同じ。

見た目なんか私は別に気にならないし、見た目が綺麗だからといってもっと美味しく感じるとかは別にない。





私の好きなトマトを沢山切ってくれていたので、トマトを大量に食べて幸せを感じていた。





食べ終わったらお皿も洗わずにまたソファーに寝転がりテレビを見る。

煩いくらい鳴っている花火の音が邪魔なくらいで、早く花火大会が終わらないかと思い時計を見た。




そしたら、あと20分くらいで終わる時間だった。




「お母さんにりんご飴だけお願いしよう!!」




そう思いお母さんにメッセージを送った。




お母さんにメッセージを送った。




お母さんに、メッセージを・・・




送ったのに・・・




リビングの中からお母さんのスマホが鳴った。




それには驚き、お母さんがいつもスマホを置いている場所をやっと見てみた。

そしたらスマホが置かれていて・・・




「忘れちゃったのかな・・・?」




そう思い、軽い気持ちでお母さんのバッグを確認してみた。

バッグにも定位置があって、クローゼットの中のココで・・・




クローゼットを開けるとお母さんのバッグまであった。




それには少しだけ心臓の音が煩くなる。




そして、花火の大きな音も鳴り響く中・・・




お母さんのバッグを開けた・・・。




お財布があった・・・。




お母さんはスマホもバッグもお財布も持たず、電気もつけたまま・・・




どこかに行った。

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