「荷物」運びの寄り道に
突然だが読者の方々、流れ星の仕組みを知っているだろうか?
簡単に言えば宇宙にある塵が地球に向かって燃えながら落下する事だが何故この話をしたかって?
それは簡単な事、彼が今、正にその状態だからだ。
彼は流れ星のように燃えながら地面へと向かう。
(そう言えば燃えながら落下死した事は無かったな。)
何て呑気な事を考えながら、燃えて死んで再生してを繰り返しながら落下する。
何を言ってるか分からない人もいるだろう。
話は本当に数秒前。
「さようなら、次があれば良いわね。」
「次がない事を祈っておきます。」
そんな会話を最後にウタウスが開いた空間を通り過ぎた瞬間、何故か宇宙空間におり、
足場が無くそのまま落下していった。
(後で確認したところ大気圏の100km付近に出たらしい。)
そして、現在に至る。
(海に落ちると、陸地に戻るまで面倒臭いな。)
そんな事を考えながら彼は炎に包まれながら落下する。
そして、彼がいた場所とは違う森を歩く少女が一人、少女は黒の帽子を被り銀髪が肩に
届きそうで届かない位の長さの髪型をしている、
少女は今「荷物」を運んでいた、
その「荷物」は少女にはとても重くて「荷物」を地面に触れないように運べないため、
いっそ汚れるなら引きずって運んでしまおう、という結論に至ったため、「荷物」を片手で引き摺り回しながら運んでいた。
少女はこの「荷物」をどこまで持って行こうか、特に目的地も決めずに森を彷徨っていた。
いくら「能力」を発動し続けているから誰かにバレたりする事は無いとは言え、
「荷物」を持ちながら移動すれば多少なりとも体力を使うため、今日中に何処かに置いて帰りたい所だ、
最近狩りをする事に飽きてきたし、何よりもこの運び作業が面白く無い上に面倒くさい事極まりない。
「暇だな…」
そんな、誰かに向けたわけでも無い言葉をボソリと呟いたその刹那、
背後からとんでもない衝撃音が鳴り響き、衝撃音に遅れて砂埃が勢い良く飛び散った。
少女は衝撃が鳴り響いた方に身体の向きを変えて、砂埃の勢いで帽子が取れない様に左手で抑えて数秒前間の間目をつむった。
衝撃が抑まった為帽子を抑えてた手を離し
数秒間放心していた。
「…す…凄い…凄〜い!!」
少しずつ我へと返り。
少女は両手を開き万歳のポ-ズでまるで兎の様にピョンピョンと飛び跳ねて興奮した。
その姿は先程までの退屈そうにしていた表情から想像でき無いほど満面の笑みに満ち溢れていた。
(あそこに行けば退屈しなくなる気がする!。)
そんな、何の根拠も無い確信を持っていた
「なんだろう!?隕石でも落ちてきたのかな!!。」
「とにかく!、何が起こったのか見てみよう!!」
そうして、足早に衝撃が鳴り響いた方に駆け出した。
先程まで運んでいた
「荷物」など忘れて……。
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