7

ナギは夢を見た。ニノだけが、どんどん遠くへ行ってしまう夢だった。ナギがどれだけ追いかけようとしても、その足は空を切るだけで、前には進めなかった。ニノの姿はどんどん小さくなり、最後には一つの点になって、暗闇に消えた。


ナギは泣きながら目を覚ました。隣にはニノが眠っていた。ナギは不安になって、ニノの呼吸を確かめた。ニノはちゃんと息をして、そこに存在していた。ナギは少しだけ安心して、ニノに抱きついた。そしてもう一度眠った。


ナギが再び目を覚ますと、ニノはもう起きていた。ニノはダンボールをガジガジかじって牙を磨いていた。

ナギは昨日の夢を思い出して不安になり、ニノの隣にすり寄った。


「おはよう、ナギ」

「なんか元気なくない?大丈夫?」


ナギは何も言わずにニノの胸に顔を埋めた。ニノは自分の胸の毛が冷たくなっていくのを感じた。ニノはナギの頭を撫でた。ニノがしばらくそうしていると、ナギは元気を取り戻した。それからナギは、お金の計算をした。


「全部でいくらあるの?」

「10万」

「それで?」

「五日ぐらいは持つかな」

「そのあとは……どうしよう」

「そんなこと、今は考えるべきじゃない」

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