そして、勧誘へ

 後日、ボクが家でくつろいでいると、再び家のインターホンが鳴った。


「は、はい」


 何となく、訪ねてきたのが誰か、見当がついたので、恐る恐る扉を開く。少し開いただけで、扉の向こうに誰が立っているのか分かった。


「どうも!」


 マリアさんだ。

 にっこにこの笑顔で立っていて、手にはパンフレットを持っている。

 十字架に磔にされた、イエス様ではない、ハゲ頭の男。

 槍ではなく、民衆が拳で叩いている絵が描かれていた。


「懲りないなぁ」

「はい。めげませんよ。今日は、入信するというまで、絶対に帰りません」


 何が彼女の琴線に触れたのか。

 マリアさんは、ボクへ執拗に絡んできたのだった。

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ボクとおっとりシスターの日々 烏目 ヒツキ @hitsuki333

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