第18話 晃の真実探し
「県警の刑事さんに許可を頂いて皆さんに発表した次第です。
どうか皆様、この日記を聴いて少しでも心当たりが有れば速やかに県警へそして私まで・・・。ご一報下されば幸いに思います。」晃の日記を読み進めるに連れて沈鬱な面持ちは隠せなかった。母親として当然の事だと思っていた奈々子達、3人は想いたる節を探していたが、どうしてもあの5人組に行きあたってしまう。
「どうする奈々子?私たちがカミングアウトすれば、あの子達が捕まるのじゃないかな?それが、心配でねえ・・・。」
八代も深雪も同じ事を考えていたが、初耳だという風に「そうよね?でも晃君に接触して来た事実は、事実として観て聴いたままを報告するべきだと思うわ。」
「晃君に危害を加えて居なければそれはそれで、あの子達の事実として取り扱える筈よ。
警察が曲解して事実を改ざんしない限りでは今は加害者では無いし、つまりその・・・。外傷は無かったのだから暴力を奮って無い訳よ?」
暫く言葉を選びながら八代は言い切った。
警察が来た以外は、滞り無く葬儀も終わり其々自宅へ帰って行った。
温泉高校は有馬口駅を下車後、徒歩5分で登校できる近さにある。
野球部は十数年前に創設され、夏の県大会には決勝まで行くが、惜しくもノーヒットノーランで、一点差に泣いた。
相手校は箕谷高校のエース中西晃だった。
温泉高校の野球部メンバーは退学スレスレのやんちゃな生徒ばかりで、男子校ならではの喧嘩自慢の男子生徒ばかりだった。
「あの時は箕谷高校のエースになんであんな投球が出来るか聞きに行ったんや。
なんでわざわざ箕谷に不祥事を起こして連盟から追い出さるような事をせんならんのんですか?警察やったらもうちょっと考えてから任意で同行してくれ!」
憤る野球部部員い宥めに入る若松啓二は老練な刑事だった。
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