エアコン

 梅雨の時期。

 部屋の中がジメジメして暑くなる為、エアコンの除湿をつけるようになった。奥さんは、部屋が涼しくなると止まって結局自分は暑いままだから嫌、と言って押し入れから扇風機を出していた。

 エアコンをつけ始めてよくやらかすことは、エアコンを切らずに出かけてしまうこと。朝、お見送りをしてくれる奥さんが部屋を確認して、エアコンついてる、と消してくれるのがほぼ日課のようになっている。僕だって一人暮らしの時はちゃんと消していたんだ。奥さんと一緒に暮らすようになって気が緩んで忘れてしまうだけ、きっとそう……。

 さて、今日は休日で久しぶりに奥さんとデートをする日だ。出かける準備をして、電気を消して、おっと、エアコンもちゃんと切らないと。部屋を出ると奥さんも部屋の電気を消して出てくるところだった。

「エアコン消せて偉いね~」

 奥さんが僕の頭の撫でながら褒めてくれた。うれしいが、それよりも驚いた。なんでわかったのか聞けば、

「ピッてエアコンの電源を切る音がしたよ」

 と、当たり前のように奥さんは答えた。だから、つい口から出てしまった。

「怖……」

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