第77話 そんなことより百合を見に行くぞ!

十数分間、もーねがぎゅーっとして話してくれなかったため、胡桃さん達がまるで珍しい動物でも見つけたかのように鑑賞しに来ていた。


はぁ……..見せ物じゃないっての。


「もーね。そろそろ離してくれない?」

「……..嫌なら」

「え」

「……….嫌なら力ずくで離れればいいじゃん」

「そ、それは…….」


普通に卑怯じゃん……その言葉は……。


「離れられないじゃんか……」


そしてなぜか扉の隙間から恐ろしい形相でこっちを覗いているいちごさん。

なんでそんな形相でこっちを見て来るんだ……二重の意味で離れたくなってくるんだけど……。


普通に自分の恋愛対象女性だし……。


※颯太もあえかもどちらとも恋愛対象は女性です。


もーねって自分が襲われないとでも思ってるのかな……..はぁ…….理性ってものをわかって欲しいな…….毎日毎日我慢してるってのに…….。


自分は男……..ではないけど一応元ってのも加味して欲しいな…….全く。


それから一日中くっついたままだった。


お風呂に入りに行った時も、寝る時も夕食の時も…….流石にトイレは色々とアウトだから離したけど……。



「ってこんなことしてる場合じゃなーーーーーい!!!!!!!」

「ぴぃ!?」

「いやいやいや…….驚いた時の声が『ぴぃ!?』って……」

もーねの声に驚いてしまった。

「そ、そんなに大声出してどうしたの……?私と一緒にいたくなくなった…..?」

「んなわけないじゃん」

「っ…./////」

「なんで顔赤くしてんだ……?」


これだから無自覚鈍感は…….と思うもーねだった。



閑話休題


「それで今回の自分の目的は胡桃さんとはなさんの百合を見ることなのよ」

「百合…..?」

「……..話せば約一週間かかるから控えるけど、要は二人のイチャイチャってこと」

「確かに二人のイチャイチャってみたことないけど…..」

「ずっと抱きついててもいいから、胡桃さん達の部屋に行こう」

「!!!」

「どうしたの?」

「あえかちゃん….それ告白…..?」

「違うって!?そんな意味で言ったわけじゃ」


めちゃくちゃ話がそれて赤面させられたので割愛。


「それじゃ、胡桃さんの部屋へ行くか」

「うん」


私たちは胡桃さんの部屋に向けて静かに部屋に出るのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る