第3章 平和な日常....?
第14話 かっこいい嫁1
「あえか〜〜〜‼︎」
「ええい!暑苦しい‼︎」
あの事件から1週間が経った。肩も全然動かせるほど体は良くなっていた。
その間、配信やらなんやらを見漁っていた。
この前、もーねから、
「なンで、そんなに配信を見てルんだ?」
そう聞かれた。理由は俺がVtuberが好きと言う理由もあったが、
それは些細な理由だ。1番の理由は、世界線が違うからだ。
要は、俺が女の子に生まれて、2023年に小学六年生になっただけだ。
もっと難しく言うと、2005年に男の子として生まれるはずだった俺だが、
2012年に女の子として生まれた世界線の2023年の小6の時の私に転生しただけのこと。それに気づいたのはあのボンボンに話しかけられた日の放課後だ。
その日から知っている人間について少し調べてみた。
すると、俺の思っていた通りだった。
この世界は、前の世界の生まれた人の年が一定周期遅れた世界線らしい。そして俺が女の子になっている。その二つだけらしい。周期に関してが、7年が大体だが、確証はない。俺が密かに感じていた違和感が解決した。
もーねの年齢だ。
俺はあんまり噂というものとか前世とか気にしないし、話をしない。
まぁそれがVtuber界隈の暗黙の了解だからな。
しかし、切り抜き師をしている自分には耳に入ってしまうわけで。
もーねは26歳だっていう噂を耳にした。もちろん確証はない....と言いたいが、これはしょうがないことだ。配信でミスってしまった時に表示されてしまったとか。
でも俺が聞いた時には19歳と言っていた。そこに違和感を覚えたが、このことを知って、納得した。 まぁ、誕生日知ってるから今ちょうど19になったんだけど。
今が2024年の春。もーねと出会って話したのは去年の5月の下旬。つまりは18。
まぁ、だから今こんなに子供全開なのかも。正直初めて会った時は面食らった。
「この前も聞いたけどさ?本当になんでそんなに配信見てるんだ?」
ちなみに俺が入院している間、もーねに日本語をたくさん教えた。元々小説家をしていたのもあって日本語には自信があった。英語ができるから英語で教えることもできるから、意外と楽だった。でも驚いたのはもーねの知識の吸収力の高さよ。
早すぎて、もはや日本人みたいな発音、使い方になってしまった。
「えっと、好きだから?」
「ええ...ほんとかなぁ...」
いやまぁ、4割本当6割嘘なんだけど。
この世界ではみんなの歳が大体7年周期で遅れているってことで、2016に引退した人が2023年に引退するのだ。記憶どうりの光景だから、出来事は変わってないと思うけど。俺の座右の銘は「Vtuberに約束された「後で」なんてない」だ。まぁ、そりゃVtuberに限らず、三次元でも当てはまると思うんだけど。
今、そのVtuberが見れるのは今だけなんだから。少しでも見ておかないと。
お別れはして損はないからね。
「そんなのいいからなんか話そうよぉ〜」
「いい加減離せ!!」
もーねに抱きつかれて今は手がぎりぎり動かせる状況だ。
地味に暑い。だから離れて欲しいんだけど...
「じゃあいいの?あのこと話しちゃうよ」
「あ...何話そっか⁉︎」
あのことを言われるのはまずい...。
俺が寝込んでいる間、何があったのかというと、
俺はずっと「もーね」と言い続けていたらしい。さらに、
「もーね...好きだ」とも言っていたらしい。なぜかは知らないが、録音もされていたし、言い逃れができない....。
いつも、ファンと推しという一線を越えないために反発的な態度を取らざるを得ない俺なわけだが、この音声が世に出回ってしまえば黒歴史になりかねない。毎回、もーねのことでいじられてしまうのが目に見える。だから、今のところもーねに従うしかないのだ。
そんな感じでもーねに色々とさせられている。
メイド衣装を着せられたり、動物のコスプレとか...etcをさせられたりした。
ー夜ー
「んん...ねむ....でも...あとすこ...しだ...け」
本当に頭が働かないが、これだけ終わらせないと...サムネを終わらせないと...
「あとす..こし」
最近左腕を全く使ってなかったので左腕が上手く使えない。そのせいでサムネ作りもいつもの二倍時間がかかっていた。けど...流石にもう...てかバランスが...
「あ...やべ...ベッドから落ちる...」
俺がベッドから落ちる寸前。誰かが肩を支えてくれた。
「もう、寝ても...よ。あとは私が...ら」
頑張って目を開けるとそこにはもーねがいた。
「困っ..言ってね?何せあえかの嫁だし!」
....こんなかっこいい嫁がいてたまるか...やべ、惚れそう...
俺の意識はそこでシャットダウンした。
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