第2章 前編 中学受験

第9話 受験はあっという間

「あんた、中学どうするの?」

と、母さんに聞かれた。まぁ、特に決まっていなかった俺は

「うーん、特に決まってないかな」

と、答えた。ちなみにこの時は何も考えてなくて反射的に答えてしまった。それが、母さんの心に火を着けたのか知らないが、

「あんた、受験しなさい。紅葉中学に行きなさい」

「はぁ⁉︎あの名門中の名門に行けるわけないでしょ!?」

「いや、配信見させてもらってるけど、あんたは天才よ。やっぱりあんたの知能にあった中学に行くべきだわ」

そりゃ、テストは満点(英語だけ)だけど、人生2回目の、いわばカンニングしている状態だからに決まってるだろ!?普通に落ちるだけに決まってるだろ。

「いや、自分そんなに頭良くないよ」

「いや、誤魔化したって無駄だからね。あんた、配信でアメリカ人のコメントもすらすら読んでるじゃない。母さんだって読めない単語とかもあったのにあんた読むだけじゃなく、アメリカ人顔負けの発音でしょ?普通じゃありえないのよ。天才じゃなければ!」

「いやだいやだやりたくない!ごろごろして生きていきたい!」

「じゃあ、スマホに時間制限かけるわね」

ーということで俺は受験をすることにしたのだった。


「ってことで、勉強会をしよう」

→ほんとに急やな

→ほんとそれ。急やな

「確認もかねてみんなに問題出していくからコメントで書いてもらって、あってたら合ってるって言うわ」

「それじゃ第一問! 世界で通用する日本国憲法は第何条?」

→24条

→3条

→1条

→9条

「おっ、正解あった! 正解は第9条でした〜って、第1条って答えたやつ大丈夫か?天皇のことについて書いてあるんだぞ」

→てへ⭐︎

→それはないとは思ったが、書く奴はいるんだな....

「次は第二問は.....」

なんとか、勉強会は終わり、有意義な時間になった。


それから、あっという間に時間は過ぎていき、気がつけば1月。つまり受験当日だった。

「頑張ってきなさいよ」

「わかってるよ」


そこから試験が開始した。まずは国語だ。


<問1>

以下の品詞について答えなさい。

1 違い

2 遠く

3 こんにちわ

4 だから....


まぁ、簡単だな。1と2が名詞 3が感動詞 4が接続詞だ。この調子でクリアしていくか。


最後は英語か。何がきても答えられる気がする。

<リスニング問題>

メアリーとケンの会話を放送します。放送を聞いた上で後の問いに答えなさい。

K『おはようメアリー。今日は何しているんだい?』

M『おはようケン。今は、税金について考えていたの』

K『難しいこと考えてるね...。今の消費税って何%だっけ?』

M『今の消費税は10%よ。税にも色々な種類があってね」

K『所得税とか、法人税とかあるんだっけ?』

M『そうそう。面倒だと思う人がいるかもしれないけど、税は私たちの生活で大いに役立ってくれているものだからね』

K 『もっと、税について調べるために放課後に先生に聞きに行こう』

M『名案ね!』


問1

メアリーは何について考えていましたか?


問2

ケンが問1について2つの例を挙げました。それを書きなさい。


問3

メアリーは問1が私たちの何にどうなっていると言っていますか?


まぁ、簡単やな。問1は税 問2は所得税と法人税 問3は生活に大いに役立っているだろ。


「ハァ〜。疲れた」

「お疲れ様」

母さんが出迎えてくれた。受験は疲れたが、手応えはあった。多分受かっているはず。あんなに一生懸命に頑張ったんだしな。

その日、緊張で俺は眠れないと思っていたが案外体は疲れていたらしくぐっすり眠ったのだった。

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