八月の 高く湧き立つ雲の嶺の 母おはするごと白くかがよふ

母が亡くなった直後、

バス待ちの停留所で見上げた空の、高く聳え立つ入道雲の縁の部分が、

反射鏡のように眩しく光る光景を、今でも憶えている。


生前、決してその手の悪戯をする人ではなかったけれど、

何だか、母がそこに居て、自分の存在をこちらに気付かせようとしているのではないか…と、そう思ってしまった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る