同級生を飼ってみた。

東風がほのかな梅の香りを運んでくる。それは、慎ましやかに、しかし確実に春を告げる。



新しいクラスは最悪だ。友達ゼロスタートはまずい。しかもこのクラスの女子ほとんど運動部だ。苦手…しかし、幸いなことに藤原がいた。友達にカウントしていいかわからんけど、唯一話せる。


委員決めやらが終わって、お友達作りタイムが来た。結構悪夢だ。



始業式のあと、当たり前のように藤原が私を待ち伏せしていた。


桜も咲いてなければ、まだ風が冷たい。


「あ、みて雫。蝶々よ。」


藤原が指をさした先には、モンシロチョウがたんぽぽの上に優雅に止まっていた。

春だなあ。


「そう…」


「反応薄すぎよ。」


「2度漬け禁止でーす。」


「おもしろくないわよ。」


ちょっと腹たったので、脚を曲げて隣にいる彼女のお尻を蹴っ飛ばす。


「痛っ。雫ちゃん、ついにそっち方面に行くのね?」


「行かんわ。」


なんか、藤原こいつといると落ち着く。


春風が吹いて、穏やかな太陽が顔を出す。

風は冷たいけど、陽の光はあったかい。


「今日も家にきてよ。」

「はいはーい。」


藤原ペットと一緒に過ごすのも、悪くないかな。

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クラスメイトに弱みを握られて、ご主人様になるよう強要されました。 草壁 @Hitohitooooooooooooo

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