第33話 二十階層


「美味い!」

 アイスクリームを頬張るアカネ達は幸せそうだ。

 日本から帰って来た俺は、アイス片手にその姿を見て満足している。


「冷たくて甘いのぉー!」

「美味しいですねぇ」

「ひさしぶりのアイス」

 チフユ達も満足そうだ。


 本当はもっと暑い日に買って来とけばよかったと思うが忘れていたのでしょうがない。


 そろそろレベル上げもそこそこにしてダンジョンを進めようか。


 とりあえずダンジョン十階層まで突破し、十五階層まで行ってみよう。

 

「おっ!この前よりは動くようになったな!」

「あったりまえでしょ」

「このためのレベル上げですから」

「我の血潮も激っておるわ」

「これで私も戦えます!」

 どんどん敵を倒して行く。


 十五階層、ハーピィ、鳥人間だな。

「ファイヤーアロー」

「ブラッド」

「シッ!」

「それぇ!」

 俺が出る幕もなく倒してしまった。


「これならまだまだいけそうね」

「いや、またこの階層でレベルを上げよう」

「えー。なんでじゃ?」

「安全に討伐できるようにだよ」

「今でも安全でしたけど」

「その上があるからここで止まってちゃもったいないだろ?」

「ぶー。じゃあ頑張るのじゃ」



 ハーピィより強い敵なんていくらでもいるさ、それを見越してレベル上げをしていかないと痛い目に遭うからな。


「じゃー、今日はここまでにして家に帰ろう」

「はぁ、やっとだわ」

「疲れたのじゃ」

「疲れましたね」

「帰るのも疲れますね」

「だろ?だからレベルを上げよう」

「やたら元気なあんたもレベル上げなさいよ」

「あげてるぞ?これでも」 

「はぁ、やたら元気だから嫌」

「ほら帰るぞ」

 疲れた四人を引き連れて帰る。


「おんぶでもしてよ」

「やだよ、それし出したらキリがないだろ」

「おんぶじゃ」

「私も」

「じゃあ私も」

「ぐぇ。潰れるのじゃ」

「だからいってるのに」


 十五階層を突破してレベル上げ、次も、その次もと階層を突破するたびにそこに止まってレベル上げをした結果、ようやく二十階層までいけた。


 ボスはオーガキングだ。

「行くぞ!」

「ファイヤーアロー」

「シッ」

「ブラッドスパイク」

『グオオォォオ』

 オーガキングに傷が増える

「えりゃぁ」

「うおりゃぁぁぁ!」

 シータが傷をつけて気を引いてる間に俺が首を刎ねた。

「うぉっし」

 ドロップ品はオークキングの剣と焔の腕輪。宝箱からにはミスリルのインゴットが入っていた。

「さすがA級ダンジョンね」

「さっきの敵は強かったのぉ」

「私達の攻撃では倒せなかったです」

「またレベル上げだな」 


「「「「いやーー!」」」」

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