第25話 ダンジョン3


 ダンジョンを探索して一時間、下に行く階段を見つけた。

「どうする?」

「まだ一階層を全部見て回ってないからな」

「そうだね、回ってから行こうか」

 一階層を回るのにまた一時間もかかってしまった。でも収穫があったのだ。

「守りの指輪と素早さのネックレスか、宝箱はいいの入ってるな」

「だねー。守りの指輪はミルスで素早さのネックレスはシータかな?」

「はい!それでいいです」

 チフユにはまだいいものがないしな。

「それじゃ帰るか」

 

 森に出るとアカネが言ってくる。

「転移で森の外まで行けないの?」

「わからん、森の外ならそう大した距離じゃないしな?やってみるか!」

「まずはアカネから手を繋いで『転移』」

「キャッ!って森の外だ!」

「またもどってくるから」

 転移で、今度は二人。

「おお、二人同時じゃん!」

 残りのミルスを連れて平原に降り立つと、今度は真ん前まで連れてけと言われる。

 今度は四人とも手を繋いで「転移」

 真ん前までこれたが疲れが半端ない。

「大丈夫ですか?」

「ああ。なんとかな」

 頭がズキズキするし吐き気もやばいがとりあえずは成功したな。

「イチヤ本当に大丈夫?ゆっくり休んでなさいよ」

「おお。なんとか家までは」

「肩がしますよ」

 チフユが肩を貸してくれてなんとか家まではついた。

 流石に四人を転移するにはまだまだだったみたいだ。やっぱり使い続けるしか方法はないのかな?

 ベットに横になりながらそんなことを考えていたらいつの間にか寝ていた。


 流石に今日は二人はいないか。

 一人で寝るベットは久しぶりだ。

「あっ、起きたのじゃ」

「ほんとですね、大丈夫ですか?」

 あ、部屋にいるパターンね。

「あぁ、大丈夫かな」

 ちょっとふらつくが大丈夫だ。

 転移はまだまだだな。

「ちゃんと寝るのじゃ」

「子守唄歌いましょうか?」

「俺は子供か!」

「ならちゃんと寝てくださいね」

 ほんと子供扱いも困るよ。



「ふわぁ。よく寝たわ」

 独寝気持ちがいいなぁ!

「おはよー!」

「おはよー、なのじゃ、」

「おはよ、ですの」

「どうしたの二人とも?」

「慣れてるベットがやっぱりいいのじゃ!」

「横にいないと寂しいです!」

 や、俺は快調なんだけどな。


「あー、起きたんだ。無理させちゃったね」

「いや、いいんだ。俺が試したかったからさ」

「大丈夫ですか?」

「大丈夫大丈夫!もうなんともないよ!」

 アカネとチフユはいつも通り。

「まぁ、これからも転移は使って行くし」

「目指せ全員日本へ招待!」

 アカネがいってくる。

「だな!」

「私たちが行ってもいいんでしょうか?」

「バレなきゃ大丈夫だよ」

「俺の家もあるしな、狭いけど」

 アパートに五人はちと狭いな。

 

「それまではダンジョンだな」

「うん、ダンジョンで鍛えないと!」

「アカネは一万ポイント貯めてどーすんだ?」

「んー、転移はもういいや、、なんか使いやすいのを取るよ」

「俺が転移は頑張んなきゃ行けないのか」

「そう言うこと」

「頑張るよ」

 

「あ、アカネにとって欲しいスキルがあるんだけど」

「なぁに?」

「罠探知と罠解除」

「あー、取っとくよ」

「ダンジョンには必須ですもんね」

「いちおう、簡単なやつなら私もできるんですが」

 シータがおずおずと手を挙げる。

「スキルでちゃんとしたの取っといた方が後々楽だからな」

「ですね」

 あとはマッピングだな。

「あとマッピング取ったよ」

「ナイスアカネ!」

「ダンジョンで迷子とか笑えないからね」

 アカネはわかってる様に言っているが俺の受け売りだ。

「なによ!」

「なんでもない」


「んじゃいくぞ」

「転移」

「はあ、はぁ、はぁ」

「おぉ!ダンジョン前じゃん」

「大丈夫ですか?」

「大丈夫、なんとかなったな」

「無理しちゃダメですよ」


「よし、大丈夫!行こうか!」

「「「「はい」なのじゃ」」」

 一階層をマッピングするためにまた回る。

「それ!」

「なのじゃ」

「やぁ」

 三人でもミノタウロスを倒せる様になった。

「三人ともやるねぇ!」

「いやそれほどなのじゃ」

「えへへ、負けてられませんからね」

「強くなって来た感じがあります」

 本当に強くなってる。

 二階層の階段を降りるとまた石造りのダンジョンですこし暗い。

 歩いていくと黒い人形の人形のようなモンスター、

「シャドーマンだそうです」

 チフユが鑑定で見た様だ。

「俺が出るよ!」

 と叫んだと同時にアカネがファイヤーボールを撃っていた。

 シータの弓もしなっている音がする。

「シッ」

 シータの弓が頭部にささり、シャドーマンは灰になって消えていった。

「おぉ、みんな凄いな!」

「これくらい当たり前よ!」

「いつまでもイチヤに頼り切りじゃないですよ」

 シャドーマンのドロップは宝石のような魔石だ。綺麗なもんだな。

「シャドーマンを狩り尽くすわよ!」

「「「おう」なのじゃ」」

「ぉ、おう」

 殿をつとめながら前にいる四人の戦いを見てると、危なげなく二階層を進んでいる。

「宝箱なのじゃ!」

「アカネ!」

「うん!罠はないみたい、鍵もかかってないわね」

「開けるのじゃ!」

 ミルスが開けると日傘の様な武器が出て来た。開ける人によって変わるのか?

「我の新たなる武器じゃ!」

「前のはアイテムボックスに入れておこうか?」

「頼むのじゃ」

 日傘を受け取りアイテムボックスに入れる。

 二階層を探索し終わるまでに三個の宝箱を見つけた。開ける人を順番に変えてみるとその人にいい武器が手に入った。

「これもダンジョンならではなのか?」

「かんがえてもわかんないよ」

「だな」

 だがこれで五人全員の武器が新しくなった。

 外に出て転移で街まで帰る。

「どう?」

「これまでより楽だな」

「やっぱり慣れなのかな?」

「そうかもな!」

 家に帰りダンジョンのことを話す。つぎは第三層、あまり深入りしたくないのが現状ではある。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る