第24話 ダンジョン2


 「使わないと上達しないでしょ?」と言われるとそうだなと思い俺はいま日本に買い出しに来ている。

 買い物は主に女子用の物だ。メモを見せて店員に言って買うのを繰り返している。

 本当に大変だと思うよ。


 大量の荷物をアイテムボックスに詰めておく。俺は配る様に酒を大量に買っておく。

 あとは本を大量に買った。王国が豊かになればいいと思ってこっちの本をもっていってみることにした。


「これで、大体揃ったかな?」

 家に戻り小林拓也を検索するとやはり行方不明になっている。神隠しとはこういうことなのだろう。


「転移」


「うわっ!」

「もう、自分の部屋に転移するのじゃ!」

「ビックリしたなぁ」

「お帰りなさい」

「ただいま、今度からそうするよ」

 お土産を渡すと我先にとゴブリンの様に持っていく四人。

「あ!それはわたしの!」

「早い者勝ちなのじゃ」

「じゃあこれと交換」

「分かったのじゃ」

「あっ!これ欲しかったんです!」

「あぁ。こっちにないものね。大量にあるからトイレに置いときましょう」

 俺もトイレ使うんだが。

「百均のものなんかも買って来たけどいる?」

「だして!」

「はい!」

「あっ!結構いいのあるじゃん!」

「爪切りとかいいですね」

 これもすぐに捌けてしまった。

 このままでは俺の価値はお使いになってしまう様な気がするな。

「転移にレベルはあるの?」

「ん?ないぞ?」

「ならもうちょっと頑張れば行ける様になるかもね」

「そうだな」


 酒と言ったらドワーフだろ?鍛冶屋のおっちゃんに酒を持って行く。

「おっちゃん」

「おう!もう、クーラーはいいだろ?」

「もう流石にいいでしょう。それより土産を持って来たよ」

「なんじゃ?」

「ウイスキーにブランデー、日本酒だな」

「酒か!綺麗な瓶に入っておるのぉ」

「美味いと思うから飲んでくれよ」

「おお。ありがとよ」

「あと本を持って来た、刀の本だ」

「ほう。こんな武器があるのか?」

「昔の武器だけどよく斬れるらしいよ」

「おし!ちょっくら飲みながら勉強してみるか!」

「おう!」


 あとは王城にいって王様に本を渡す。

「日本語なのでサクヤやタクヤに聞けばわかると思います」

「おお、これは革命が起きるぞ!すぐに研究所に持って行け」

「は」

「こっちでは難しいものもあるでしょうが参考になればと」

「ありがとうイチヤ殿」

 本は大変喜ばれた。


 タクヤにコピーした紙を渡すとやはりかという様な顔をしていたが、

「やっぱりこっちで暮らす方が僕には合ってるかな」

「やっぱりか、そうだと思ったよ」

 タクヤはこっちの方が合ってる気がする。


 さて日本のことがある程度終わったからこんどはダンジョンを制覇したいな。

「と言うことでダンジョン攻略をしていきたいと思いまーす」

「やっぱり行くと思った」

「まだ暑いのじゃ」

「そうですか?だいぶ涼しくなって来ましたよ?」

「レベリングも途中ですからね」

 乗り気じゃないのが一人。

「ミルス?最近ぽちゃって来たんじゃないか?」

「そ、そ、そんなことないのじゃ!我はそんなことないがダンジョンには賛成じゃ!」

 アカネがいったら即反応してるってことはミルスはちょっと気になっていたのかもな。


 次の日からダンジョンへ潜る。

 また洞窟の前に来た。

「今からダンジョンに潜るけど二時間だけな」

「はーい!」

「ラジャ」

「なんで二時間なんじゃ?」

「それ以上潜ると日没までに帰れないぞ?」

「分かったのじゃ」

 入って行くと石のダンジョンが見えてくる。先頭はシータで殿が俺だ。

「何が来ます!」

「よし、後退!」

 俺が先に出るとまたミノタウロスだ、雷の剣を喰らえ!

「ウガァァァァ!」

「おおう、強えなこの剣!」

 ミノタウロスは灰になりドロップ品が落ちている。大斧と魔石だ。アイテムボックスにいれてすぐにまた同じ陣形になる。

「次はミルスやチフユも攻撃してみてくれ」

「「はい」なのじゃ」


「いま!」

「はぁ!」

「シッ!」

「ウガァァァァ」

 ミノタウロスの両肩には矢が突き刺さっている。

「オラァ!」

 雷の剣でトドメを刺す。

「ミルスの矢は血なのか?」

「ブラッドと言う特殊技能じゃ」

「へぇ、ミルスもやるもんだ!」

「えっへんなのじゃ!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る