第15話 オークの巣


 ギルドに帰りオークの巣の規模を受付で話す。

「それは困りましたね、百以上のオークにオークジェネラルですか」

「俺たちには無理ですね、まだFランクもいますし」 

 でも一番上はCランクでオークなら討伐オッケーなんだよなぁ。

「それでは上に報告してきます」

「俺たちは帰りますんで!」

「あ、はい」

 何か言いかけたが無視して帰る。流石にあの時のようにオークの巣をぶっ壊すのは大変だからな。

「一回やったんでしょ?なら今回も」

「規模が違うし、モンスターが違うだろ?もし捕まったら大変なんだぞ?」

「四肢をひき……」

 シータが教えているとアカネの顔がどんどん青くなる。

「やめときましょう!今回は違うからね!」

「だろ?」

 今回は本当に危ないからな。

「我はこ、こわくないぞ!」

「俺の手を握りしめて言う言葉じゃないだろ」

 ヴァンパイヤまで怖がってるじゃ無いか。


 次の日は雨が降っていた。

「今日は休みにしよう!」

「だね!雨だし濡れるし、いいことなしだし」

 みんなそれぞれ読書や暇つぶしにゲームをしたりしている。

 俺はポイントをどう使うかをかんがえていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 東 一彩ひがし いちや 20歳

 レベル65

 力 S

 体 A

 速 S

 知 A

 魔 S

 スキル 魔力操作LvMAX 体術LvMAX 火魔法Lv7 風魔法Lv9 土魔法Lv6 水魔法Lv6 生活魔法Lv6 剣術LvMAX 身体強化Lv6

 ユニーク 取得経験値アップ

アイテムボックス

スキルポイントアップ

 残りP7900

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 ポイントを見てるとこれでも十分貯めた方だと思うんだよなぁ。

 何かないかなぁ。

 でも一万ポイント貯めたいなぁ。

“コンコン”

「開いてるよー」

「おっじゃまー」

「アカネか?どうした?」

「いやぁ、ポイント貯めてるイチヤなら分かるかなぁって思ってさ」

「なに?」

「地球に帰れる奴ってあった?」

 真剣な表情で聞いてくるアカネ。

「まだないな、あったらとっくに取ってるわ」

「だよねー!うちら帰れるのかなぁ」

「さぁ?帰れなかったらここにいるしか無いんだけどな」

「だね。そん時はよろしくぅ!」

 アカネは何をよろしくなのか分からないが部屋から飛び出ていった。

 一万ポイントでもしかしたら何か出るかもしれないな。

 俺はステータスを閉じてしまう。


 次の日は案の定二人に挟まれているのでよく飽きないなぁと感心しながらほっぺにチューで起こしてあげる。

「おはよございます」

「おはようなのじゃ」

 んー、毒されていってる気がするのは気のせいか?地球に帰れるかはわからないけどここに住むなら二人の気持ちに応えるべきなのかな?


 ギルドに行くと討伐隊が編成されていた。

 この人数じゃ無理だろうな。

 俺らは関係ないので張り紙を見てると、受付のお姉さんがやって来た。

「あのお願いがございまして、こちらに来ていただけますか?」

「え?いやです」

「はい、ありが、えぇ!ちょっと待ってくださいよ!普通は来てくれるでしょ?」

「え?嫌なら断るのが当然だと思いますが?」

 どうせ碌なことじゃない。

「俺渡り人なんで、国から保護されてますよ?」

「え!本当ですか?な、ならいいです」

 天下御免の国からの保護です。


「おいお前、お前がオークの巣を発見したからこうやって集まってるんだ。道案内くらいしたらどうだ?」

 冒険者が寄ってきてそう言うが、

「俺はDランクなの、しかも渡り人、団長呼んでこようか?」

「チッ!使えねぇな!」


「それでは討伐隊のみなさんは東の森に集合して下さい!」

 「はぁ」

     「オークジェネラルだろ?」

  「勝てるのかね?」


 皆それぞれ愚痴を言いながら東の森へ向かっていく。

 俺たちは草原でモンスター狩りをするつもりだ。

「ミルス!そっちいったぞ」

「おーらい!それ!」

 ほのぼのとホーンラビットを狩っている。


 冒険者がボツボツと帰ってきているのが気になっていたが、昼過ぎに大量に逃げてくる冒険者に追いかけてくるオーク達!

「えぇ!」

「シータ!ミルスを連れて街の中へ!」

「はい!」

「アカネは俺と一緒に食い止めるぞ」

「ラジャ」

「クイック、シャープネス!」

「オラァ!」

 バフをかけてもらった俺はオークを蹴散らしながらアイテムボックスに収納していく。

“ガキンッ”

 と言う音で止められたのはオークジェネラル!

「ウインドカッター」

 離れ際に風魔法の贈り物をしといた!

「まだまだぁ!」

 バフがかかってる間に倒し斬る。

「フンガァァァ」

「オラっ!」

 片手斧を持つオークジェネラルに剣が悲鳴をあげている。

「イチヤ!」

「ファイヤーランス!」

 アカネの援護射撃がジェネラルの腹を掠める。

「トルネード!」

 風魔法中級を使い動きを止めるがじっと耐えている。

「ウインドランス!」

「ファイヤーランス!」

 アカネと二人で魔法で攻撃する。俺の腹にアカネのは右足に当たる。

「フンガァァァア!」

「トルネードが解けたな!もう一度だ!ウインドランス!」

「ファイヤーランス!」

 今度は俺のが右肩を撃ち抜いてアカネのが左足をもぎ取る。

「行くぞ!オラっ!」

 ジェネラルの首を取ってアイテムボックスに入れる。

 オークの大半は戻って行こうとしていたので、アカネと二人で追いかける。

「ファイヤーウェーブ!」

「オラオラ!オラ!」

 二人で逃げていくオークを片っ端から倒してアイテムボックスに入れていく!

「このまま捕まった人を助けにいくぞ!」

「ラジャ」

 冒険者もジェネラルが倒されたと知り、追いかけてくる。

 合流してオークの巣に突撃をかける!死んだ人間は戻らないが、まだ生きてる人間が数名いたので助けていく。ジェネラルがいなくなった途端にオークは壊滅していった。

「お前強いじゃないか!なんで最初から」

「しょうがないだろ!勝算なんて無かっただろうが!」

「でも」

「でももへちまもないんだよ!俺の仲間を危険にしないことがリーダーの勤めだろう!」

「そ、そりゃそうだな」

「うちは二人で来てんだ、あとは任せるぞ!」

「おう!」

 アカネを呼んで帰る。

 

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