第5話 シータ
アカネと別れて北の森に行く。
「さてと。魔法の方も使っていくか!」
ビックボアやオークには余裕で勝てる様になってきた。いまもビックボアと戦っているが、ウインドカッターで首を狙って放つと倒れ込むからトドメを刺して終わりだ。
今日は少し奥に行こうかな?
するとオークが増えて来た?巣が近くにあるかもしれないな?
ここらで引き返そうとすると、
「キャアアァァァァ」
と声がする!助けなきゃ!
オークの巣だろう掘立て小屋があるのでファイヤーボールで火をつける。
出て来る出て来るオークが大量だ。
「ウインドカッター!ウインドカッター!」
魔法と剣で戦ってオークを倒していくと、声の主がいた。オークに捕まってる。
「ウインドカッター」
捕まえているオークに魔法を飛ばし手を離させると、
「逃げろ!」
「はい!」
倒したオークをアイテムボックスに入れながら後退していく。が、オークもそれだけじゃなかった。オークの上位種のオークチーフがいた!
「オガアァァ」
「くそ!」
剣の速度を上げて目の前のオークを斬って行くが、その後ろから迫って来るオークチーフに恐怖を感じる。
「ホール」
土魔法の落とし穴を作り、転ばすと目の前の敵の注意がそちらにいく!今だとばかりにオークを斬ってアイテムボックスにいれると、オークチーフとの睨み合いになった。
おそらくレベルは彼方が高いだろうな。
「オガアァァ」
大剣を横振りしてくるオークチーフから後ろに下がり避ける、と追いかけるように上段から振り下ろして来る。
「ここだ!」
避けて首に一太刀浴びせるとウインドカッターで足を狙う。うしろの左足の腱を切ったらしい。動きがおかしくなった。
俺の後ろにはオークがいて挟まれた状況だ。
「オガアァァ」
オークチーフが鳴くとオークが襲って来るのでそちらのオークを先に倒しにかかる!
とここでオークチーフが片足で飛んでくる!避けられない!
「ホール!」
目の前でオークチーフが転がると、俺は後ろを向いてオークを斬っていく。背後のオークがいなくなってから、オークチーターを見ると、ホールで空いた穴で足を折ったみたいだ。
「これで終わりだな!」
オークチーフの首を斬り落とした。
アイテムボックスにいれると、さっき逃げた女の子が出てきた。胸を隠しながらだが俺がまた着替えを貸す羽目になるなんてな。
「あ、ありがとうございました」
「いや。悲鳴が聞こえたからな」
「貴方は命の恩人です」
「そこまでじゃないだろ」
「いえ、オークに捕まった女は…多分ここにもいるはずです」
掘立て小屋を探すと据えた臭いの小屋があった。中を見ると吐いてしまった。
四肢をちぎられた女が三人生きているかも分からない。
「生きているのか?」
「いえ、みな死んでいますね」
しょうがないので外に出してあげてファイヤーボールで火葬する
あと見つけたのは別の冒険者のものだろう。防具や武器、金貨などが山の様に積まれていたのでアイテムボックスにいれる。
ドッグタグがあったのでそれをギルドに渡すつもりだ。
掘立て小屋が四つあったので四つとも中を見てなにもなければ燃やしていく。
「貴方様に救われなければ私もああなっていたでしょう。このご恩は全てを持って返させていただきます」
「いやいいよ、そこまで考えての行動じゃなかったから」
「私じゃだめですか?」
「いや、ダメとかじゃなくて、ホールで助けてくれただろ?それでおあいこだ」
「そんな」
緑の髪をした綺麗な女の人だ。そんな人に言い寄られるのは得意ではない。
「本当になんでもしますからそばに置いて下さい」
「じゃ、じゃあ仲間ってことでいいかな?」
「はい!」
嬉しそうに笑うその顔はすこし怖かった。
夕暮れ時には街に戻れた。ゴズにことの成り行きを説明した。
「オークの巣だって!それも壊滅してきた?!」
「嘘じゃないんだ!オークチーフの頭もあるよ」
オークチーフの頭をズタ袋から出すふりをしてアイテムボックスから出すと、
「マジかよ!おいおい!大手柄じゃねぇか!」
「あはは痛い痛い」
背中をバンバン叩かれて痛い思いをして、
「兵士長を呼んでくるから待っててくれ」
えー、疲れたんですが。
「お前がオークの巣を壊滅してきたものだな?どれくらいの規模だった?」
「掘立て小屋が六軒あり、オークは五十はいたかと、で、リーダーがオークチーフでした」
「そうか、燃やしてきたか?」
「はい!三人女の死体がありましたが、火葬もしてきました」
「ご苦労!北の山を確認次第、賞金が出るはずだから明後日またここに来い」
「はい」
ようやく解放された。
でギルドに行くとまた同じ事の繰り返しだった。どこにあって規模はどれくらいでと同じことを言わされるこっちの身にもなってくれ!
解体場に連れて行かれオークを全部出すと六十体いた。あとオークチーフ。
全部は無理だからと、三十匹分を買い取ってもらい。十五万ゼルになった。
そしてドッグタグを渡すと皆が泣きそうになる。
会った防具や武器はその人のものらしいが買い取ってもくれるそうなので買い取ってもらった。あとは賞金として百万ゼル、買い取ってもらったもので十万ゼルを貰い、帰る頃には夜だった。
「で?いつまでついて来るの?」
「いつまででも」
緑髪の綺麗な子はシータという名前だそうだ。
「シータも冒険者でしょ?」
「はい!」
「ランクは?」
「Cランクです」
「俺はさっきDランクに上がったばかりなの、わかるかな?」
「はい、ギルドはわかっていませんね!」
「いや、まぁ、いいや、俺は宿に帰るから」
「ご一緒します」
「えぇ!まぁ、空き部屋があるだろ?今まで泊まってた場所は?」
「部屋が分かり次第荷物を取って来ますね」
「はい」
もう疲れたから好きにして。
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