第3話 同郷


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 東 一彩ひがし いちや 20歳

 レベル28

 力 B

 体 C

 速 C

 知 C

 魔 B

 スキル 魔力操作Lv4 体術Lv6 火魔法Lv2 風魔法Lv2 土魔法Lv1 水魔法Lv1 生活魔法Lv2 剣術Lv2

 ユニーク 取得経験値アップ

アイテムボックス

スキルポイントアップ

 残りP600

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 これで楽にポイント稼げるぞ!

 しかしここにきてレベル上げるのが難しくなってきた。北の森に行ってみよう。


 北の森に歩いていく、森に入ると先ずはゴブリンに出くわす。

 直ぐに倒して解体用ナイフで心臓あたりから魔石を取り出し右耳を取るとアイテムボックスに入れる。

 やっぱり効率が悪い。

 と今度は音が近づいて来る。

 デカい猪だった!

「まじかよ!」

「ブルルル」

「逃げられないよな!」

 突進を躱しながら首を狙って斬りつけていく。ようやく倒れたのでアイテムボックスに入れる。ビックボアという名前らしい。

 ポイントで身体強化を取り、歩いていくとまたビックボアだ。避けて首を斬りまた避けるを繰り返していくとなんとか倒せた。


 今度は有名なオークだ!

「ブヒィ!」と鳴くと棍棒を振り下ろしてくるので剣で受け流して斬りつける!防具をつけているのでダメージになっていないようだ。また振り上げながら向かって来るので、向かっていって首に剣を突き立てる。

 もがき苦しんだあと倒れた。

 オークは肉も買い取りだからそのままアイテムボックスに入れる。

 

 こうしてオークとビックボアを倒しながら今日の狩りを終える。

 オーク三匹とビックボア四匹だ。あとゴブリン。

 ギルドではおっさんに解体を任せると、嬉しそうに解体している。

「オーク三匹は一体五千ゼルで一万五千ゼル。ビックボアは一体二万ゼルで八万ゼル。でゴブリンの魔石が百ゼルだ。いいか?」

「はい!な、なんでこんな高いんですか?」

「ん?オークもビックボアも肉になるし多いからな!大きいからまるまる一匹もってくるのはお前くらいだけどな!」

 大金が手に入った。

 九万五千百ゼル!

 頑張った甲斐があったよ!コレでしばらくは魔法の鍛錬が出来るな。


 宿に帰り一週間分を先払いするというと二千五百ゼルでいいと言われそれを払う。

 晩飯のエールをおかわりして酔って部屋で爆睡した。

 次の日は魔法の訓練だ!豚毛の歯ブラシで歯を磨き、顔を洗って外に出る。

 草原で一人魔法の練習をしていると、

「何やってんだ?」

 と怪しいおっさんに声をかけられる。

「ま、魔法の練習です」

「は?ポイント使えば早いってこっちの人間にはなかったんだな、悪りぃな」

「い、いえ」

 初めて同じ境遇の人に会った、が俺が同じとは言わない。なぜなら怪しすぎるからだ。

「お前ちょっと金貸してくれや」

「それはちょっと嫌です」

「ちっ!いいからよこせよ!」

「嫌ですって!」

 剣を抜くと、

「な、なんだよ、冗談だよ」

「何が冗談だ!お前がやってることは盗賊と同じことだ!」

「貸してくれって言っただけじゃねぇかよ!チッ!」

 男はどこかに行ってしまった。


「ここは危ないな、少し場所を変えよう」

 歩いていると後ろからついて来る気配がする。

「なんですか?お金ならありませんよ?」

「チッ!バレてたか!金なんてもういいんだよ!馬鹿にしやがって!ファイヤーボール!」

 デカい火の玉が襲って来るのをギリギリで避ける。

「な、何するんですか?人殺しですよ!」

「けっ!もう人は殺してんだよ!ウルセェな!死にやがれ!ファイヤーボール」

「おわっ!くそ、ウインドカッター!」

「ぐわっ!」

 避けてウインドカッターを放つと、反撃されないと思ったのか簡単に当たった。

「ぐわぁ血が!血が!」

「あなたが悪いんですよ?」

 胸にウインドカッターで傷ができている。

「し、仕方ねぇだろ!急にこんなとこ来てポイントで強くなって!」

「だからそんなこと知りませんよ!」

「わ。悪かったから治してくれよ!」

「知りませんよ、俺は」

「テメェ!ファイヤーボール」

「ぐわっ!」

 ファイヤーボールをモロに喰らって後ろに転げ落ちる。

「くそっ!なんなんだよ!」

 火を消すと相手はいなくなっていた。

「はぁ、はぁ」

 街に戻り、門兵のゴズに話をする。

「そんな奴がこのあたりに?すぐに軍に連絡する!」

「あ、ありがとうございます」

「お前も災難だな」

 せっかくの革鎧もボロボロだ。

「胸にウインドカッターで傷があるんだろ?なら直ぐにわかるさ」

「はい」

 ゴズは忙しそうに何処かに連絡しに行った。

 俺は街の中に入り道具屋でポーションを買う。ポーションは高いんだ。一本で五百ゼル。それを飲み干した、効いてきたのか身体のヒリヒリが治ってきた。

 防具屋に行くと直せないらしく新しく革の鎧を買うことになった。

「よし、これで大丈夫だな」


「捕まえたぞ!」

「えっ!?」

「胸に傷のあるやつが襲われたってここに来たんだ、問いただしたらお前のいうようにファイヤーボールを打ってきてな!すぐに兵に取り押さえられたよ」

「そうですか」

「ありゃ死刑か終身奴隷だな」

「そうなんですか?」

 そんな重い刑に?

「そりゃ、兵士に乱暴したんだ。しかもお前やたぶんほかの人にもしてるな」

 そう言えば言ってたな。

「お前も十分に気をつけろよ?最近は物騒な輩が多いからな」

「え?さっきの人だけじゃないんですか?」

「あぁ、ポイントがどうたら言って人を殺してた奴がこの前死刑になったばかりだ」

 怖っ!なにそれ?人殺してもポイント入るの?

「怖いですね」

「あぁ、ああいう輩は本当に迷惑だよ」

 本当だよ、こっちは必死に頑張ってるのに!

「それじゃあ気をつけてな!」

「はい、これからまた魔法の練習してきます」

 俺は草原にいくと血痕が街へと続いていた。

 はぁ、馬鹿なことするからだよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る