第203話 みんなで頑張る

朝、メルシーとマリアンノが俺の部屋に来る。普段は子供達と一緒に来るのに珍しく2人だけで来た。


「レモンド様、この呪いの問題が終ったら少し旅行でも行きませんか?」

メルシーがそう言いながら着替えを手伝ってくれる。


「レモンド様、年が明けるとナーバルを神聖立国に届ける必要がありますよね。

そうするとまた、1ヶ月近く子供達と会えなくなります。

その前にゆっくりとお出かけしたいです」

マリアンノか、少し寂しそうに言う。


「わかった。このところ忙しい過ぎたもんね。ダリアンの住民達はどう。全員戻れそう?」


「はい、心配はありません。それにマフィン小隊長を始め、中央騎士団の出張所を設ける事になりました。

マフィン小隊長はその所長を兼務することになっています。これはマフィン小隊長が自分でやりたいと言ってきてくれました」


「そうか、中央騎士団はマリアンノの管轄だったね。騎士団を少し別けることに反対はなかったの?」


「誰もいませんでした。むしろ戦闘が起こった時に騎士団長一人に戦わせた事をみんな悔いております。

それとベルートに行く時、自分達も行きたかったと少し文句があがっていました」


「はは、今度は気を付けるよ」


「そうですよ、レモンド様は忙し過ぎるです。総合筆頭、中央騎士団 団長、ギルドの総責任者。

休める時に休まないといけません」


「いいよ、騎士団のみんなも冒険者として暇な時、ギルドに来てくれるし、筆頭の仕事も半分はガリアがやってくれるし。


でも、2人とゆっくりと出来る時間は俺も欲しいと思っていた所だし、どこに行こうか?」


「「はい♡」」

メルシーとマリアンノの返事が重なる。


多分だけど2人とも大分前から計画していたな。


「アーマイル辺境伯領に、子供達も遊べる温泉宿がございます。

他も調べたのですが子供達と一緒に入れる温泉宿が無くて、どうですか?」


「子供達も入っていい宿何てあるんだ?」


「はい、メルシー様と結構調べたした」マリアンノも明るい声で教えてくれる。


「わかった。なら、早めに終らせ無いとね。


ガウディとライダーはもう起きてるの?」


「はい、行きましょう」

メルシーとマリアンノを連れて子供部屋に入る。メイドの子と楽しそうに遊んでいる。


ガウディとライダーをハグしてから屋敷を出てギルドに入る。


ギルドは朝が早い。何せ良い依頼をとるために冒険者達が集まる。


そんな冒険者達をよそめに食堂で資料を整理しているとガリアとナーバルが来て朝ごはんを食べ始めた。


そこにアイリ達がくる。朝一だし腹へったような顔をしてるし。

「飯食ったか?」


アイリが首を降る。


「軽く食べな、私のおごりだよ」

ガリアがそう言って自分の食べていた物と同じものを注文すると、アイリ達3人を座らせる。


「アイリ、紹介する。俺のパーティーメンバーのガリアだよろしくな」


「「「はい」」」


アイリ達が固まる。そんなアイリを見てふと思い出しす。アイリはガリアに憧れがてると昨日話していた。


「こっちがナーバル。神聖魔法の使い手だ」

アイリが頭を下げると魔法使いのルイが驚いて声を上げた。


「ナーバルって、あの聖女の称号を持つナーバル?」


「そうよ、でもそんなに驚かないでくれると嬉しいわ。今の私はただのナーバルよ。

アールの下について、様々な事を教わってる。そう言う意味じゃ貴女達の先輩かしらね」

ナーバルが笑いながら話す。


「さて、みんな飯食ったら行動する。ルイ、ヨットはナーバルと一緒に昨日の商店に行ってもらう。これがギルドの依頼紹介状だ。


ナーバル達の後をガリアとアイリが付けてくれ。特にガリア、店からフードを被った男、もしくは丁稚の男の子が出てきたら優先的にフードか男の子を付けてくれ。


俺は配達先と思われる家の付近で待機する。今回も配達先はスラム街だと思われる。金目の物は見えないようにするか、ギルドに預けておけ。


準備が出来たら始めるぞ」


ナーバル、ルイ、ヨットの3人が依頼状を持って商店に向かう。店には昨日倒れた夫婦と丁稚の男の子がいた。


ルイが紹介状を見せ、荷物を預かる。配達先はスラムにある、盗賊の棟梁の屋敷と噂されるかなりやばい場所だ。


持つ荷物は以外に軽い。丁稚の男の子がなにやら用事を言いつけられて先に商店を出る。その後ろをガリアとアイリが追う。


ガリアとアイリが店を出てナーバル達の向こう側を見ている。その視線の先に丁稚の男の子がいた。


ナーバル達が男の子を横を通り過ぎると、丁稚の男の子がその後を追い始める。だが、フードを被り少し歩くと身長が伸び始める。元々140cm位の身長が170cm位まで大きくなった。


どういうトリックかわからないが体が大きくなった。


そのフードの後をガリア達がつける。後ろを付けられている事に気付いているのだろうナーバルが露店に立ち寄り。飲みのも買うとベンチに3人で座り休憩を取る。その様子にフードを被った奴が一度3人を追い越す。


追い越して近くのベンチを腰をかけた。ガリアとアイリの2人はそのままフードの奴の前を通りすぎて路地を曲がる。


ガリア達はその後少し姿を消す。ナーバル達が飲み物をかたずけると配達先に向かい歩き始める。その時に、ナーバルがルイとヨットに神聖魔法をかけた。2人に呪いや闇の精霊がつかないようにするためのガードだ。


そして配達先の家に付くとぶっきらぼうな男がナーバルを見て荷物を受けとる。ナーバルも受領印をもらい家を離れた。


ナーバル達が大分遠ざかった辺りでフードの男がこの家に来た。


その時申し合わせたかの様にガリアとアイリが家の前あたりにくる。ガリアがアイリを安全な場所まで連れていくとナーバルと合流する。


みんなで安全な広場にくるとそのまま待機をする。


その間、隠匿魔法をかけた俺はフードの男の後に付いて盗賊の棟梁の家に入る、フードの男がフードを外すと盗賊達が頭を下げる。

「オヤジ、上手く行ったみたいですね。あの姉ちゃん達は何も気にせずに帰りやしたぜ」


「そりゃそうだろう。俺があの店の丁稚だとは誰も知らねえしな」


「しかし、良く姿を変えて誰も気付かないものですね。やっぱり、紋章の力ですか?」


「ああ、これを使えばどこでも入れる。筆頭公爵の屋敷や王宮すら問題無いだろう。


所で手頃な女達は集まったか?」


「おまかせください。では移動しましょう」

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