第204話 みんなで頑張る2

盗賊達の話を聞いて後を付ける事にした。

元々ここで全員捕えても良かったけど気になる動きをしている。


棟梁の家から直ぐのでかい屋敷に入る。こっちには盗賊達がかなり集まり何やら作業をしていた。


ずっと我慢していたライト レイが頭の中に直接話しかけてきた。

「まだ、黙っていないと行けないか?

大分、釣れた気がすんだが」


「女達が来たら動く」


その間にアイスフィールドを展開。屋敷と護衛している盗賊達を捕捉。

その際、盗賊の仲間だと思われる女達が来た。


盗賊の女達が来ると一気にライト レイが動く。姿を見せてはいないがフードの男と魔法使いとおぼしき男をライトプリズンで捕える。


捕えられた2人は呼吸出来なくなり、そのまま倒れてしまう。

その様子を見ていた盗賊達が逃げ出そうした時に一気に凍結させて動きを封じる。


そのタイミングでドアが開きガリアが入ってきた。

「アール終った?」


「ああ、騎士団を呼んでくれ」


ガリアが外を見て騎士団を呼ぶ。

来たのは中央騎士団の公爵領の警備担当達だ。


中央騎士団、約50人で屋敷をおさえ、応援で駆けつけたロイヤルナイト達が捕えた者達を連れて行った。


「ガリア、良く騎士団連れてきたな。偉いぞ」


「えへへ、実はここに来る途中で隊長さんと会ってさ。話をしたら直ぐに駆けつけてくれたの」


「そう言えば今日はロイヤルナイトとの共同訓練の日か」


警備隊長のマルサルエが来て報告をしてくれる。

「団長、全て捕えました。後、ギルド前の商店にはナーバル殿を配置して、ギルド警備のロイヤルナイトと一緒に踏み込んでおります」


「ありがとう、相変わらず仕事が早いね」


マルサルエが苦笑いして外に出る。その後ガリアと別れ中央騎士団の詰所に入る。


盗賊の棟梁、幹部と思われる男、捕えた女達が尋問を受けていた。そこにナーバルと商店の夫婦が到着する。


ナーバルが一人一人の呪いを解呪していく。


神聖魔法の威力は凄くナーバルが神聖魔法を使う度に呪いをかけられた者達が奇声を上げて気を失う。

あつめられた盗賊達30名、商店の夫婦に全て呪いがかけられていたようでその全てを解呪した。


棟梁の男、丁稚の男の子の様に見えた男は自分の見た目を偽る呪いをかけたようで本人の小さい頃の姿に見えるようになっていたようだ。


ナーバルが解呪を終えると商店の夫婦の元に来る。

「アール、この2人が術者だ」


その言葉を待っていたのかライト レイが動く。

商店の夫婦の体に手をいれて何やら引きずり出す。


その姿はまるでデーモンのような見た目をしていた。

「ホーリーナイト」

ナーバルが神聖魔法を唱えると、悪魔のような者が光の中で消滅した。その後苦しみ始めた夫婦に神聖魔法をかけ完全に体を回復させる。


こうして盗賊と商店の夫婦を捕まえることになり、ナーバルには先に戻るように伝えて帰らせる。


元々は商店の夫婦が呪いの紋章を買い取った事から始まった。夫婦は紋章を張り、商売に勤しんだ。最初は体も軽く寝なくても良く快調だったが一定期間を過ぎるとどんどんと体調は悪化、気がつくと意識も乗っ取られる状態になる。


そこからはこの悪魔のような者の操り人形の様になり今に至る状態らしい。


この後の対応を騎士団に任せ、ギルドに戻る。アイリ達がガリアとナーバルと一緒にいる。

今日頑張ってくれたお礼をアイリ達に伝える。


俺が帰る前にアイリ達がガリアとナーバルに何かを聞いたらしく、自分達も鍛えてくれと言ってきた。


「なあ、アール。私達も鍛えてもらえないか?

胸はって田舎に帰れるようになりたいんだ」


「アイリ、何を聞いたかは知らないけどやめとけ。それに俺も忙しい。一から十まで面倒見きれない」


俺が断るとガリアが割って入る。

「アール、そんなこと言うからベルクドダンジョンギルドだけ、ギルド付きがいないんだよ。


折角、やりたいって言ってる子がいるのに、それをフルのは男じゃ無いと思うよ」


「ならガリアが育てるか?

人族は獣人族と比べて成長が遅い。おまけに基本スペックも弱い。結構大変だぞ」


「なら、少しの間私が預かるよ。

あともう少しで私もいなくなるけど、その間なら面倒を見てもいいよ」


え!! まさか? ナーバルが育てる? まさかそんなこと言うなんて。


「わかったよ。アイリ、俺はギルドにずっといるわけじゃない。

ましてガリアやナーバルも忙しい。教える時間がかなり少ないけど良いのか?」

完全にナーバルだよりだ。


「「「はい」」」


返事が揃う。ここまで来ると仕方ない。


「アイリ、ルイ、ヨット。説明があるちょっとおいで」


アイリ達を連れて俺の部屋に入る、

「本当に副マスターなんだ。自分の部屋を持ってるなんて」

アイリが驚いていた。


部屋に入り3人にギルド付きの条件を伝える。

「ガリアから話しは簡単に聞いたと思う。ギルド付き冒険者はうちのギルドの特徴だ。


うちはこのベルクドダンジョンの他に、アルッシュ、ダリアン、西の辺境伯領と北の辺境伯領地にそれぞれギルドを持っている。


それでその全てにギルド付き冒険者と言うのを置いている。

ギルド付き冒険者は依頼をこなしても金にはならない。その代わりギルドから毎月お金が支払われる。


そしてギルド付き冒険者はみんなAランク程度の実力をもってもらう。


これが条件だ」


ヨットが手を上げる。

「聞いて良い?


ギルドからお金が支払われるってどのくらい?

普通に依頼こなす方が金額的に多くないの?」


「支払われる金額は一般的にAランク冒険者の収入位。これは仕事の忙しさに関係無く金が支払われる。


やってもらう事は主に、依頼の取りこぼしを無くす事。人気がなくて、何時までも依頼板に残っているような依頼なんかを全てこなす。


新人冒険者の教育、ダンジョンでの講習。


定期的に開催している、魔法や武器、格闘術の教育を主に行ってもらう。


なあ、簡単に言うとこんなところかな」


「そんなに有るの?」アイリがぼやく。


「嫌ならやらなくても良いぞ」


「やる」「やります」「やらせて下さい」

3人が頷く。


「じゃ宿題。ギルド付きにるために、みんなやってもらっている事がある。


これから言うことをまずは一週間行う事、その出来具合で研修を行うかを決める。


やってもらう事は魔力操作。これは3人共通。

これにプラスでアイリとヨットは筋力トレーニング。ルイは瞑想。


先ずは真剣にやるように。この出来が悪い場合は失格とする」


「は、はい」


「わからない事があればナーバルに聞け。ナーバルは俺の指導に耐えてここまで来た。わからない事とか相談すると良い」

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