第6話 恐怖の三角関係
ニヤついた顔を抑え2階層に向かう。地図によるとゴブリンの階層らしい。
コボルトより大きく130cm位のモンスターで動きは少し遅く、力も子供位の強さしかない。
通路でゴブリン会う事はなかった。やはり部屋に入る必要があるみたいだ。
2階層は部屋数が一階と違い数が多くある。その為だろうか、冒険者の数も多い。
地図見ると部屋に数が書かれている。3~5と書かれてあるがこれが何かよく分からない。地図に書かれてあるからには部屋にまつわる数字だとは思うけど。
先ずは近くの部屋に入る。ゴブリンはいない。部屋の隅でまつこと30分。ゴブリンが5体湧いて来た。
数が多い。動き出す前にしとめる。ゴブリンがリポップして動けないうちに攻める。
卑怯と言われても仕方ない。レベル12ではゴブリン1体が関の山だ。バトルアックスを右手に持ち一気に攻める。スピード勝負だ。
右上からバトルアックスを振り下ろす。ゴブリンの体が斬れ斜めに2つに斬れた。
返すように体をねじり左の盾を使いゴブリンをなぐる。ゴブリンの顔が盾に潰され倒れた。
真横に並んで立っていたゴブリン2体をバトルアックスで横に切りつけ首をはねる。
ここで息が切れた。
不意に殴られた感覚に襲われる。ゴブリンに殴られたようだ。ゴブリンと向き会う。1体なら問題無い。
ゴブリンが殴って来るタイミングに合わせ左を合わせる。ゴブリンより俺の方が腕が長く背も高い。
完璧なカウンターを食らわせる。
ゴブリンが気を失ったボクサーのように倒れた。すかさず止めをさす。
ゴブリンから魔石を取り出すと、コボルトやスライムと比べやや大きめの魔石だ。昨日よりも儲かるぞ。
魔石を取り出しつつ、ふと地図に書かれた数字を見る。もしかするとこの数字、部屋に出るモンスターの数かもしれない。そう思いながら魔石を取り出す作業を続ける。
部屋を出て次の部屋に向かう。
他の部屋は皆並んで入室をまっている。仕方なく他の冒険者の後に並ぶ。
地図眺めながら何処まで入るか考えいると、近くの冒険者から声をかけられた。
「君は初めてかい?」
「そうだけど、何でわかった?」
「地図ばかり眺めているからな」
「そう言えばそうだな。何かようか?」
「いや、ここはボス部屋だ。知らないとかわいそうだから言っておこうと思ってな」
「ボス部屋。ここが?」
「ゴブリンジャェネラルとゴブリンアーチャーが出る。知らずに入って亡くなる奴もいるから注意しておくよ」
「ありがとう。何体出てくるだ?」
「この部屋は3体だけだ、リポップした場合は動かないからわりと行けると思うがな」
「なら問題無さそうだ。あんた達は何か強そうだしな」
「お、開いた、じゃあな」
「ああ」
パーティーだろうか、4人で入って行った。何か人がよさそうな奴だ。またどっかであえるといいな。
それから30分程で部屋が空く。中に入り辺りを見る。ゴブリンの姿が見えない。リポップするのをまつ。
約30分でリポップした。1体だけ一回りでかいゴブリン。これがゴブリンジャェネラルだ、弓を持ったゴブリンが2体、杖を持ったゴブリンが1体いる。
合計4体。一気に倒す。
先ずは杖を持つゴブリン。容赦なく首をはねる。
弓を持つゴブリンをそのまま残しゴブリンジェネラルにバトルアックスを突き立てる。ゴブリンジャェネラルが鮮血を吹き出し倒れる。
ゴブリンジャェネラルは不味い。絶対に見ていた。背筋がゾッとする眼差し。獲物を狙う目。あいつだけは一番最初に処分するべきだ。死の恐怖に打ちのめされた俺の本能がそう言っている。
そもそもカトレーゼといつも練習している俺がこれだけ恐怖を感じるってゴブリンジャェネラル、ヤバい。あの動け無い時間にも関わらず俺を獲物としてとらえ、倒す算段をしていた。再度恐怖が襲う。
残りのゴブリンアーチャーを震えを押さえながら倒し終える。
ゴブリンジャェネラルのせいだろう、まだ身の毛がよだつ。自分の体が有ることを確かめゴブリンの魔石を取り出し部屋を出た。
ダンジョンを出てギルドに来た。魔石を卸し、飯を食べる。まだ、恐怖で上手くてが動かない。
「レモンド君。私の料理美味しくないの?」
そう声をかけられ見ると、シルフィーユさんがいる。
私の料理? そう言えば野菜多めの味の薄い料理だ。「ごめんね、今日ちょっと色々有りすぎて味が分からないよ。夜、また食べに来るね」
「大丈夫。旦那の好みを知って置くのは妻の勤めよ」シルフィーユさん、その笑顔…怖いっす。まじ怖いっす。ゴブリンジャェネラルと同じ位、怖いっす。
ひきつりながらも笑顔を作る。
「レモンド、飯食ったら腹を落ち着かせろよ。午後から魔法の講習があるぞ」モルジップさんがカウンターに出てきて言う。
その声にリアルが反応した。
「レモンドいたの?」
「ああ、戻って来たよ」
このやり取りにシルフィーユとリアルが対峙する。2人の間に火花で飛び散る。
リアルはわざと俺の横に座り話しかけて来た。シルフィーユさんがそれを見てこっちを睨む。睨んでいる。当分ギルドにくるのをやめよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます