第5話 油断大敵パート2

感動的(?)な再会を終え、宿の食堂には、カトレーゼとモルジップさん、リアルと俺の4人でデーブルを囲んで座っている。


話題は俺の魔法練習の話しになっていた。

「カトレーゼ、何でレモンドにステイタスの見方を教えない? レモンドわざわざギルドに来ていたぞ。おかげでシルフィーユがカトレーゼを殺すって息巻いていたぞ」


「なに? レモンド君? 君、ステイタスもみれないのかい?」カトレーゼが馬鹿にしたような顔で言ってくる。


「ふん、悪いかよ。カトレーゼさんだろう。ステイタスの見方知りたいって言ったらギルドに行けってずっと言ってんの」


「カトレーゼ、魔法の練習は私が直接教える。リアルもおいで、久しぶりに魔法の練習しよう」モルジップがやさしく言う。でもあれだけ強烈な再会をみた後では素直に喜べない。


「所でレモンド。身体強化や索敵、他に魔法の適性検査はしたこと有るか?」モルジップさんが予定を立てると言って聞いて来た。


「モルジップさん、それは何処で受けれますか?」


「ギルドで登録した時に魔法検査しなかった?」


「あ!! しました。確か身体強化、索敵、無属性魔法は適正あったはずです」


「レモンドは身体強化とかしたことないの?」リアルが不思議そうに聞いて来た。


「うん、使い方分からなくて、今まで1度も使ったこと無いよ」


「ちょっとまて、お前それで今まで俺との特訓してきたの?」カトレーゼが何故か震えている。


「うん、使ったこと無いよ」俺は当たり前のように話す。


カトレーゼがぐったりして天を仰いでしまった。


「カトレーゼ、正直、レモンドはどうだ?」モルジップさんが聞く。


「どうもこうも無い。俺が身体強化を使い、こいつにやっと勝てる位だ。魔法を使わない戦いならこの国の中でもトップに入る位の腕だぞ。俺も毎回いいのを4~5発はもらうしな」


「カトレーゼさん、身体強化を使う時と、使わない時とどんな違いがあるんですか?」俺の正直な疑問を聞く。


「先ずは、力加減だ。普段と同じように剣をふるとタイミングが会わなくて折ってしまったりする。それからお前が使っているあの剣だとモンスターに当たると同時に折れると思うぞ。


次は速度、踏み込みや打ち込みの速度が数倍にはね上がる、それもタイミングを見失うきっかけになる。


それと、跳躍力がすごく上がる。足だけに強化魔法を集中してかけると、この家の屋根位なら飛び超える程のジャンプが出来る」


「じゃあ、レモンド今度私の部屋に勝手に入っておいでよ」リアルが笑いながら言う。


「リアル(怒) あんたには早い」モルジップさんが真剣な顔で怒る。


「いいじゃない、私もレモンドも成人してる訳だし」


「駄目よ、結婚はお互い18才になってからよ」


「は~い」リアルがつまらなそうに返事をする。


「レモンドは明日もダンジョンに行くの?」モルジップさんに聞かれる。


「そのつもりです」


「なら鑑定魔法を教える、隠し部屋とか宝箱が有るからと言って何でもかんでも無闇に開けない事、中には罠があったりして、あっさり死ぬ事もあるからね」


「はい」って嘘でしょう。やべぇ、勝手に宝箱あけちやった。


翌日、朝一でダンジョンにくる。今日は二階層に入る予定だ。その前にあの隠し部屋に向かう。


コボルトが5体と背の高いコボルトが1体。宝箱があった。ミスリル色の宝箱が1つ。金の宝箱が1つある。


油断大敵だ。確実にしとめる。バトルアックスを両手に持ってかまえる。昨日と違い剣を持つコボルトがいる。6体が一線上に並ぶように動き突進する、駆け出して来た1体を倒し後の2体を左右から挟むように攻撃して倒す。


残り3体。剣を持つコボルトが剣を振りかぶり向かって来た。剣をかわし右手に持つバトルアックスで首をはねて倒し、そのままの勢いで残りを倒した。


ミスリル色の宝箱の前に来た。鑑定をかける。中がミスリル色に光を放っている。


昨日モルジップさんに教えてもらった。黒だと罠。反応無しだと空。赤だと安い物。金だと高い物。ミスリルだったら絶対取るべきお宝。この順になっているらしい。つまりこれは絶対取るべきお宝だ。



宝箱を開ける。腕輪が入っていた。改めて鑑定をする。

【亜空間の腕輪】生き物以外は何でも収納可能。無限に入れられる。時間が止まっている為腐らない。


これは最高だ。マジックバックより凄い物だ。まさかこんな凄い物が手に入るなんて思わなかった。1度試そう。バトルアックスを1つ納める。バトルアックスを手に持って収納と頭で唱える。バトルアックスがすっと消える。


バトルアックスを取り出す、そう頭で思うとぽんと出て来た。ラッキーだ。


調子に乗ってもう1つの金色の宝箱を鑑定。ミスチルに輝く。


「やったぁ。またお宝だ」思わず口を抑え辺りを見渡す。油断大敵だ。


恐る恐る宝箱を開ける。盾だ。それも手甲と一体化している物だ。右利きだからと左腕につける。


鑑定するとミスリルの盾。魔法攻撃耐性20%アップ


マジか?、凄すぎね?俺毎日ここに来るとお金持ちになるよ。欲望の渦に飲み込まれる。ブラックレモンド出現。よだれも垂れる。ジュヘ。


沢山儲けて うへへへへへ。あんなことして うへへへへへ。リアルにもこんなことして うへへへへへ。

ヘヘヘヘへ。ウへへへへへ。

リアルにもっと ウハ。ウハ!

うへへへへへ。は、いかんいかん油断大敵。油断大敵

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