第4話 つんだ、俺つんだ。

ダンジョンを出てギルドのに向かい、お昼頃にギルドについた。冒険者は、ほとんどなく静かだった。


シルフィーユさんに声をかける。

「シルフィーユさん、俺の適性検査してもらえますか?」


「適性検査? そんなの自分でステイタス確認したら」シルフィーユさんが不思議そうに言ってきた。


「え、ステイタスって自分で確認出来るの?」


「ちょっとレモンド君、寝言は寝て言うものよ」シルフィーユさんがさらに呆れて言う。


「すみません。俺、カトレーゼさんからステイタスはギルドで確認しろって言われてたから、自分で確認出来るって、ずっとしならかった」


「え!!!!」「カトレーゼ(怒)」シルフィーユさんの体から炎が見える。


シルフィーユさんがカウンターの外に来た。俺の手を持つとちょっとおいでと言ってギルドの奥の部屋に連れてこられた。


中に入るとモルジップさんがいた。

「モルジップ、これからカトレーゼを殺しに行く。許可をちょうだい」

シルフィーユさんが真剣に言う。


「ちょっとお待ち、あんなんでも一応亭主なの、理由を教えて」


「レモンド君、ステイタスの見方も知らないらしい。現在レベル12よ。カトレーゼがギルドで確認しろって言ってたらしいの」


モルジップさんが首を傾げる。

「レモンド、あんた毎日練習してるんじゃないの? 何で魔力を使う訓練してないの?」


「だって、カトレーゼさんがそんなの外道だって言って…1度も練習したこと無いよ」


モルジップさんが怒り過ぎて笑っている。

「シルフィーユ、1人で責任追う必要無いわ。共犯となりましょう」


「チョ、チョ、ちょっと待ってよ俺何か悪い事言ったか?何か言ったら謝るから」


「ご、め…」何故か泣けて来た。カトレーゼさんは口は悪いし素行も悪いけど、俺に真っ向からぶつかってくれる唯一の人だ。俺が 、最強の冒険者になるって言っても唯一笑わない人だ。


シルフィーユさんとモルジップさんが慌てて俺を抱きしめる。

「レモンド、本当に殺したりしないよ。カトレーゼに少しお灸を添えるつもりなの。ごめんね」


「レモンド、私も言い過ぎた。モルジップも私もカトレーゼは信用している。本当に殺したりしないしカトレーゼは殺しても死なない。だから自分を攻めないでちょうだい」殺しても死なないって?

シルフィーユさんはやっぱり・・怖い。


「ごめん、俺、感情的になりすぎた」2人に謝る。


「レモンド、今日からギルドの魔法教室に通え、私が直接教えてやる」モルジップさんが何かを決意したように言う。


「私も何か教えてあげる。今日から私の家に住むんだ」シルフィーユさんがとんでもない事を言い出す。


「ちょいまち、シルフィーユ!! 私のレモンドに何を教えるつもりだい?」モルジップが青ざめた顔をしている。


「レモンド君、君に私のすべ…」ゴン!! バタン!!!!


シルフィーユさんが床に倒れている。何があった?

俺には見えなかった。


「レモンド、ここは危険だ、宿に行こう」


「う、うん」モルジップさんの声にただ、うなずくしかなかった。


モルジップさんとギルドを出て、鷹の宿に向かうとシルフィーユさんがギルドを飛び出して来て、奇声が聞こえた。

「レモンドォォォォォ」「私のすべ…オゥ…」


あ、ギルドの職員に捕らえられた。シルフィーユさん? めちゃ怖い。思わず股間を抑え貞操の危機を感じた。


鷹の宿に付くとリアルが飛び出して来た。

「お母さん、帰ったの?」


「リアル、あんたまた可愛いくなったね。ほら見てご覧、レモンドがあんたを見ている鼻の下を伸ばしてるよ」


「え」リアルが顔を赤らめる。


「リアルあんた、わかりやすい」モルジップさんが笑ってからかう。


「お母さん!!」リアルが怒っているが、リアルの反応を見るとこっちが恥ずかしくなる。


「リアル、何を叫んでいるんだ?」奥からカトレーゼが出て来た。


ドン、バタン、ドスン 鈍い音が宿に響く。

「ク~、フ~フ~」息を切らしながらカトレーゼが立ち上がる。どうやらモルジップさんがカトレーゼを叩きのめした音のようだ。


「帰ってきやがったな、モルジップ」カトレーゼが頭をかかえて言う。


バン「クッ フ~」ガタン、ガラガラ。

モルジップさんの渾身のアッパーをくらったように見えた、カトレーゼがカウンターに突っ伏して気を失っている。


「お母さん、お父さんとの挨拶終わった?」


「うん。本題はこれからだけど、おきるまで待ってやるよ」


「うん、お腹すいてない?」


「リアル、何か作って」


「はぁーい(笑)」


いずれリアルもこうなるのだろうか?俺の将来、不安しかない。


カウンターに座りモルジップさんと話す。

「モルジップさん、ステイタスって本当に自分で見れるですか?」


「何、当たり前の事をいってるの。ステイタスを他の人が見る何て危険極まり無い行為よ」


ん? そんな心配しないといけない事か?

「モルジップさん、理由を教えてもらえますか?」


「例えば、レモンドに何か罪を負わせておとしめようと悪い事をする。その後はレモンドがレベルが上がり、適正が取れたレベルまで待。そして折を見てレモンドに全ての罪を着せて、落とし込む。


そんな事も出来るのよ。


レモンド、冒険者はみんな言い奴だけじゃ無いし、依頼を持ってくる貴族や金持ちは残酷な奴が多いのよ。

ステイタスは自分を守る意味も有るの。だから大事なのよ」


「そう っ!」


ゴトン、ギッ ギィー。

「モルジップ!! てめぇ~」カトレーゼさんが目を覚ます。


モルジップさんが緊張感を覚える。


「お帰りぃ~。いつ帰ったの?何で教えてくれないの? もーカトレーゼ寂しかったぁ~」


「カトレーゼぇ ただいまぁ~(笑)」


ダン、ゴン、ゴシャ!!


カトレーゼとモルジップの右ストレートがクロスしてお互いに入る。


「カトレーゼ、てめぇ腕あげたな」ニャ(笑)


「てめぇ グフッ モルジップ」ニャ(笑)


そう言うとお互いに倒れて気を失う。


「レアル君。君のご両親はいつもこうなの?」


「当たり前じゃない。いつもの事よ。それとレアルじゃなくて、リアル!!」


ムリ、俺ムリっす。リアルさん、今後のお付き合いは考えさせて頂きます。


「レモンド。あんた何か悪い事を考えたよね(怒)」


プルプルプル。

「リアル、俺は君を信用してるよ」つんだ、俺つんだ。

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