第1話 銀之剣士 Part3

「この場は退いてやる」

 攻撃を受け、苦しんでいたスパイクが立ち上がる。観念したのか、抵抗せず岳積に背を向けた。

「待ってくれ、もしやお前は――」

 岳積の声は届かず、スパイクは立ち去ってしまった。

「お前に負けたのが、よっぽど悔しかったんだろうな」

 慰めるように聡情が声をかけてくる。

「さてと、邪魔な奴はいなくなったし、俺たちは例のモンスターを探そう」

「ああ……」

 二人は森の中を歩き始めた。

 

 それから一時間ほど経過した。しかし、モンスターは一向に見当たらない。

「俺さ、前から聞こうと思ってたんだけど……」

 木の下で体を休めていると、聡情が尋ねてきた。

「何でお前、そんな必死に統四平限探してんの? 何に使おうとしてるんだ?」

「『どうして?』って、それは……」

 岳積が一拍空ける。

「額に入れて飾るためだ」

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