第1話 銀之剣士 Part2(ゲーム)

 岳積 vs スパイク

 

 岳積とスパイクは、腰のベルトに装着してあるデッキケースから5枚のカードを取り出し、手に取る。

 互いにシャッフルしたデッキの上から、5枚のカードを手札としてゲームスタート。

 デッキは40枚以上のカードで構成される。

 

 TURN1

 岳積のターン


「私の先攻――」

 五仕旗のゲームは、自分ターン(手番)と相手ターンを交互に繰り返して進行する。勝利条件は、先に対戦相手の累積ダメージを3000以上にすること。

 ターンはフェイズに分かれ、各フェイズではプレイヤーがとれる行動が決められている。

 ドローフェイズ、メインフェイズ、バトルフェイズの順にターンは進行する。

 ただし、TURN1及びTURN2のドローフェイズはなく、TURN1ではバトルフェイズに入ることができない。

 

 岳積は左手の手札を確認すると、1枚のカードを右手に持ち、前方へ放った。

「【三連角獣恐トリケラトプレット】を召喚――」

 白いそのカードは空中で分解され、小さな粒になると収束して四足歩行の獣に姿を変えた。頭部から三つの角を生やしドンドンと地を足で打ちつけ音を鳴らしている。スパイクと対峙するように、岳積に背を向けた。

 

三連角獣恐トリケラトプレット

 固有希少値:銀 攻撃力1000 耐久力800

 効果なし

(足で独特なメロディーを刻む『音響獣おんきょうじゅう』。『突進』攻撃されると怪我どころでは済まない)


 召喚したモンスターは戦闘で破壊されるなどして場を離れるまで、場に留まる。モンスターの主な役割は、攻撃により、相手プレイヤーにダメージを与えること。モンスターは1ターンに何度でも召喚できる。


 相手の出方を見るため、岳積はターンを終了した。

「ターン終了」


 手札

 岳積:4枚

 スパイク:5枚


 TURN2

 スパイクのターン


「俺のターン――」

 岳積のターンで自身の手札を確認していたスパイクは、手際良くモンスターを召喚した。


【さすまたを構える小鬼こおに

 固有希少値:銀 攻撃力1300 耐久力200

 効果:???

(『さすまた』を手に、相手をどこまでも追いかける『小鬼』。諦めることを知らない)


 小柄な鬼がスパイクの場に出る。【三連角獣恐トリケラトプレット】よりも小さいが、自信に満ちた表情をしている。

「バトルフェイズ。【さすまたを構える小鬼こおに】で【三連角獣恐トリケラトプレット】に攻撃――」

 スパイクが【さすまたを構える小鬼こおに】に攻撃命令をすると、鬼は岳積の場へ向かってきた。

 獣は角を向けて突進する。


 TURN2からは、バトルフェイズに入ることが可能。ターンプレイヤー――そのターンを進めているプレイヤー――は、自身の場のモンスターに、対戦相手の場のモンスターを攻撃させることができる(各モンスターは1ターンに1度のみ、攻撃することが許される)。

 攻撃したモンスターは攻撃モンスター、攻撃されたモンスターは迎撃モンスターとそれぞれ呼ばれる。

 モンスター同士の戦闘では、攻撃力の差を比較する勝敗判定を行い、文字通り戦闘の勝敗を決定する。

 攻撃力が高いモンスターの勝利、攻撃力の低いモンスターの敗北となり、敗北したモンスターは破壊されて墓地――使い終わったカードが置かれる場所――に送られる。

 

 岳積は手札を一枚投げた。黄色いそのカードは粒になると【三連角獣恐トリケラトプレット】に入り込んだ。獣の地団駄が勢いを増すと、小鬼は弾き飛ばされる。

解煌かいこうカードか」

「そうだ。解煌カード【ステレオアウト】を発動し、攻撃を無効にした」


【ステレオアウト】

 解煌カード/消滅型

 指定区葉ターム:『音響獣』

 効果:自分の場の区葉ターム:『音響獣』を持つモンスターの数に応じて、以下から1つを選んで効果を適用する。

 1体以上:相手の攻撃中に、発動可能。

 その攻撃を無効にする。

 2体以上:相手の攻撃中に、発動可能。

 その攻撃力以下の攻撃力を持つ相手モンスターを全て破壊する。

 3体以上:相手のモンスターを全て破壊して、最も攻撃力の高いモンスターの攻撃力分のダメージを与える(場での攻撃力を参照)。


 解煌カードはモンスターの持つ区葉タームに応じて、モンスターの能力を開花させるカード。

 区葉タームは、先兵モンスターカードに『』の記号を使い記されている。

 基本的に発動した解煌カードは、効果を発揮させたモンスター――指定先兵モンスター――が場を離れるまで場に留まる(消滅型の解煌カードは、効果を発揮すると墓地に送られる)。


 消滅型の解煌カードである【ステレオアウト】が墓地に送られる。

 攻撃を無効にし、岳積が一息ついているとスパイクがターンを進めた。

「【さすまたを構える小鬼】の効果発動。相手に対する攻撃が成立しなかった場合、戦った相手モンスターの耐久力分のダメージを与える。お前のモンスターの耐久力は800。その数値のダメージを受けてもらおう――」


【さすまたを構える小鬼こおに

 固有希少値:銀 攻撃力1300 耐久力200

 効果:このモンスターが攻撃しても、その攻撃が成立しなかった場合、発動可能。

 その時の迎撃モンスターの耐久力分のダメージを相手に与える。

(『さすまた』を手に、相手をどこまでも追いかける『小鬼』。諦めることを知らない)


 【さすまたを構える小鬼】がさすまたを投げると、岳積の足元に刺さった。そこから土煙が上がる。

 

 岳積の累積ダメージ:800(0+800)


 小鬼の手には、さすまたが握られていた。土煙で岳積の視界が奪われている隙に、取り返したのだろう。

「さあ、お前のターンだ」

 スパイクがターンを終える。

 

 手札

 岳積:3枚

 スパイク:4枚


 TURN3

 岳積のターン


「私のターン――」

 岳積は3枚の手札のうち、2枚をデッキの一番下に戻す。新たに3枚のカードをドロー(カードを引くこと)するとデッキはシャッフルされた。


 ドローフェイズ

 手札:3枚

 場:1枚

 総出場枚数:4枚


 1枚ホールド(2枚をデッキの下に戻す) 3枚ドロー

 手札:4枚 


 TURN3以降、ターンプレイヤーはドローフェイズで、自身の手札のカードを任意の枚数デッキの一番下に戻す(戻さなくてもよい)。そして、自身の総出場枚数が5枚になるようにデッキからカードをドローする(その後で、デッキをシャッフルする)。

 総出場枚数とは、一人のプレイヤーの手札の枚数とそのプレイヤーの場に出ているカードの枚数を合計した数値のこと。

 岳積のドロー前の手札は3枚、彼の場のカードは【三連角獣恐トリケラトプレット】の1枚であるため、ドロー前の岳積の総出場枚数は4枚。

 岳積はドロー後の総出場枚数が5枚になるように手札を調整しなければならない。

 彼の場のカードは1枚であるから、手札が4枚になるようにデッキからカードをドローする。

 このターンの場合、彼は3枚ある手札のうち、2枚をデッキの下に戻した。その時点で手札は1枚であるから、手札が4枚になるよう、3枚をドローしたのである。

 ドローフェイズにおいて、ドロー前の手札の枚数が5枚を超える場合は、手札の入れ替えのみが可能(手札を任意の枚数デッキの下に戻し、同じ枚数をドローする。その後で、デッキをシャッフルする)。


「メインフェイズで、モンスターを召喚する――」

 岳積は再び、手札のモンスターカードを投げた。

「来い、【オーガ・フラグコーチャー】――」

 岳積の場に鬼が召喚される。チェッカーフラッグを掲げ、うなり声をあげている。


【オーガ・フラグコーチャー】

 固有希少値:銅 攻撃力300 耐久力700

 効果:自分ターンに1度、発動可能。

 このモンスター以外の自分モンスター1体を指定する。

 そのモンスターの耐久力を100ポイント単位で下げることで、その数値分そのモンスターの攻撃力を上げる。

(『チェッカーフラッグ』を持つ『奔走鬼ほんそうき』。的確な指示で仲間を上手く『回避』させる)


「【オーガ・フラグコーチャー】の効果を発動。【三連角獣恐トリケラトプレット】の耐久力を400下げる代わりに、攻撃力を400上げる――」

 鬼が旗を振ると【三連角獣恐トリケラトプレット】は、そのリズムに合わせて地面を叩く。


三連角獣恐トリケラトプレット】攻撃力1400 耐久力400


「バトルフェイズ――」


 【三連角獣恐トリケラトプレット】攻撃力1400

    vs

 【さすまたを構える小鬼こおに】攻撃力1300 耐久力200


 獣は勢いよく飛び出した。

「さあ、攻撃を無効にするカードはあるか?」

 スパイクが唇を噛む。彼は攻撃を受け入れた。

 獣が突進すると、スパイクの小鬼は粉々になった。


 スパイクの受ける戦闘ダメージ:1200(1400-200)

 スパイクの累積ダメージ:1200(0+1200)

 

 敗北して破壊されたモンスターが迎撃モンスターの場合、そのモンスターを従えていたプレイヤーは、攻撃モンスターの攻撃力分の戦闘ダメージを受ける。

 ただし、迎撃モンスターが耐久力を有するモンスターであれば、その数値だけ戦闘ダメージはマイナスされる。

 攻撃力が同じ場合、勝敗判定は相打ちとなり、両モンスターが破壊され墓地に送られるが、互いにダメージはない。

 また、迎撃モンスターが戦闘で敗北しても、何らかの効果などを用いてそのモンスターの破壊を防ぐことができれば、プレイヤーに戦闘ダメージが発生することはない。モンスターが破壊された場合のみ、戦闘ダメージは発生する。

「ターン終了だ」


 手札

 岳積:3枚

 スパイク:4枚


 TURN4

 スパイクのターン


「あまり調子に乗るな。俺のターン――」

 スパイクが手札を入れ替える。


 ドローフェイズ

 手札:4枚

 場:0枚

 総出場枚数:4枚

 

 0枚ホールド(4枚をデッキの下に戻す) 5枚ドロー

 手札:5枚


「【手腕しゅわんのデーモン】を召喚――」

 筋肉質なデーモンが現れる。

 

【手腕のデーモン】

 固有希少値:金 攻撃力1500

 効果:このモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊しているターン中に発動可能。

 このモンスターを墓地に送り、手札・デッキから【豪傑な獄卒】1体を召喚条件を無視して召喚する。

(『手腕』はあるが、補佐的な立ち回りをすることの方が多い『デーモン』。力で攻めるだけが戦いの全てだとは思っていない)


「バトルだ!」

 

 【手腕のデーモン】攻撃力1500

    vs

 【三連角獣恐トリケラトプレット】攻撃力1400 耐久力400


 デーモンが拳を振り下ろすと、獣はあっさり潰されてしまった。


 岳積の受ける戦闘ダメージ:1100(1500-400)

 岳積の累積ダメージ:1900(800+1100)


「俺のモンスターの力は、こんなものではない。【手腕のデーモン】の効果発動――」

 デーモンが粒になって消えていく。

「相手モンスターを破壊したことで、デッキから【豪傑ごうけつ獄卒ごくそつ】を召喚する!」

 スパイクのデッキからカードが一枚飛び出る。それは宙で分解されると、牛の形をした怪物に姿を変えた。さすまたを携えている。


【豪傑な獄卒ごくそつ

 固有希少値:金 攻撃力1700

 召喚条件:相手モンスターを破壊している自分モンスター1体を墓地に送ることで、自分メインフェイズに手札から召喚可能。

 効果:このモンスターが戦闘する場合、互いのモンスターの初期攻撃力で勝敗判定を行う。

(『獄卒ごくそつ』の中ではトップクラス。対峙する者は、彼の『オーラ』に圧倒されてしまう)


 岳積はそのモンスターを見て動揺する。

 このモンスターは……。この男、まさか……。

「さらに専煌カード【抑圧よくあつ形相ぎょうそう】――」

 怪物の表情が威圧的になった。

 

【抑圧の形相】

 専煌カード

 指定先兵モンスター:【豪傑な獄卒ごくそつ

 効果:このカードが場にある状態で、相手の場にモンスターが召喚された場合、1ターンに1度、発動可能。

 このカードが場にある限り、そのモンスターの効果、そのモンスターを指定先兵モンスターとする解煌カード・専煌カードの効果は無効になる(この効果の適用後に場に出た解煌カード・専煌カードの効果も無効になる)。


 専煌カードは、黒色のカード。解煌カード同様、モンスターの能力を引き出す効力がある。

 一度発動すれば、指定先兵モンスターが場を離れるまで場に留まり、指定先兵モンスターが場を離れると墓地に送られる。

 解煌カードと異なる点は、区葉タームではなく、モンスター名を参照すること。また、ドローフェイズにおける総出場枚数参照時にのみ、一時的に総出場枚数から除外される(総出場枚数にカウントされない)。

 発動は難しいが、発動できれば毎ターンのドローを阻害せず、効果の恩恵を受けながら手札を増やせる強力なカードである。


「バトルフェイズ中に召喚されたモンスターには、攻撃が許される。行け!」


 【豪傑な獄卒ごくそつ】攻撃力1700

    vs

 【オーガ・フラグコーチャー】攻撃力300 耐久力700


いましめのつらぬき!」

 【豪傑な獄卒ごくそつ】のさすまたが、【オーガ・フラグコーチャー】を狙う。鬼は手に持った旗をかざして防ごうとするが、刺されて破壊された。

 

 岳積の受ける戦闘ダメージ:1000(1700-700)

 岳積の累積ダメージ:2900(1900+1000)

「ターン終了。どうだ!」

 体が痛い。その痛みで、この男が本気だとわかる。

 

 手札

 岳積:3枚

 スパイク:3枚


 TURN5

 岳積のターン


「私のターン――」

 この状況で逆転するには――。

 岳積はカードを選別した。

 

 ドローフェイズ

 手札:3枚

 場:0枚

 総出場枚数:3枚


 2枚ホールド(1枚をデッキの下に戻す) 3枚ドロー

 手札:5枚


「【不敵銃士ふてきじゅうし師範しはん】を召喚する――」

 ライフルを構えた女性銃士が現れた。片目を閉じて狙いを定めている。


【不敵銃士の師範】

 固有希少値:金 攻撃力1600

 効果:自分ターンに1度、発動可能。

 自分の場のモンスター1体を指定することで、次の効果を適用する。

 ・指定したモンスターはこのターン攻撃できない。

 このモンスターの攻撃力は300上がる。

 指定したモンスターが効果を持たないモンスターであれば、代わりに、次の効果を適用してもよい。

 ・指定したモンスターはこのターン攻撃できず、このモンスターがこのターンに与える戦闘ダメージを1度だけ倍にできる。

(狙いを外さない『狙撃』の腕を持ち、『師範』を務める『銃士』。他者との連携を大事にしている)


「やっとまともなモンスターを出したか。だが――」

 【豪傑な獄卒】がうなる。さすまたの先端から鎖が放たれ、【不敵銃士の師範】を捕えた。彼女は膝をつき、身動きがとれなくなる。

「専煌カード【抑圧の形相】の効果を発動した。相手がモンスターを召喚した場合、そのモンスターの効果を封じる。残念だったな。モンスターをさらに召喚し、その女銃士の効果を発動できれば、攻撃力1900となり、俺のモンスターを倒せたものを」

「あいつ、【不敵銃士】の効果を知ってやがったのか」

 聡情が悔しがる声が聞こえる。

 スパイクは得意げに続けた。

「さらに【豪傑な獄卒】の効果も教えてやる。このモンスターには、戦闘する場合、互いのモンスターの攻撃力を元に戻す効果がある」

「それじゃあ、どっちにしろ岳積はあいつを倒せないってことじゃねえか!」

 岳積は手札を一枚投げた。

「【ギャランティ・レイピア】を召喚――」

 銀の鎧をまとった剣士が出現した。手には細身の剣が握られている。

 

【ギャランティ・レイピア】

 固有希少値:銀 攻撃力1300 耐久力800

 効果なし

(『銀の鎧』を纏った『細剣士』。強者の『代替』として活躍できるほど、会得している技の種類が多い)


「効果のない、そんなモンスターで何をしようというのだ」

 スパイクは半ば呆れている。

「効果がないなら解放するだけだ。このカードでな――」

 岳積は手札一枚を放つ。今度は黒色のカードを。

 そのカードが粒になり、銀の剣士が持つ剣に吸い込まれる。剣が輝きを増した。

専煌せんこうカード!」

「ああ。【銀之代替斬ギンノダイタイザン】は、【ギャランティ・レイピア】専用のカード。場のカード1枚を無効にする効果を持つ」


銀之代替斬ギンノダイタイザン

 専煌カード

 指定先兵モンスター:【ギャランティ・レイピア】

 効果:自分ターンに1度、発動可能。

 場のカード1枚の効果を無効にする。

 さらに、相手の場に固有希少値:金のモンスターがいれば、そのモンスター1体の効果も無効にすることができる。


 【ギャランティ・レイピア】が【不敵銃士の師範】に剣を振る。銀の波が放たれ、彼女を繋ぎ止めていた鎖に向かうと一刀両断した。

「これで【抑圧の形相】の効果は無効になり、【不敵銃士の師範】の効果を使えるようになった。そして――」

 銀の波がブーメランのように方向を変え、【豪傑な獄卒】を目指す。怪物はそれを受けると、力なく膝を折った。

「これは……」

「専煌カード【銀之代替斬ギンノダイタイザン】は効果を発揮した後、さらに、相手の場の固有希少値:金のモンスター1体の効果を無効にできる。能力の高いモンスターで一気に攻めようとしたことが裏目に出たな」

「しまった。これではモンスター効果も、専煌カードの効果も使えない」

「流石。岳積だな」

 スパイクが岳積に尋ねる。何かに気づいたようだ。

「このターン、お前が【ギャランティ・レイピア】を先に召喚していれば、俺は【抑圧の形相】の効果で【銀之代替斬ギンノダイタイザン】を封じることができた。そうなっていた場合、【豪傑な獄卒】の効果は有効となり、攻撃力を上昇させた【不敵銃士の師範】と戦闘しても破壊されることはなかった。お前は【豪傑な獄卒】と【抑圧の形相】の効果を知っていて、あえて、その銃士を最初に場に出したのか?」

 岳積は黙って首を縦に振った。

「俺が効果を使うことも、予めわかっていたというのか……」

 

 ――知っているさ、当然。忘れられるはずなどない……。


 スパイクは目を閉じている。彼の表情は、これ以上、打つ手がないことを物語っていた。

「【不敵銃士の師範】の効果発動。自分の場の他のモンスターの攻撃を封じ、自身の攻撃力を300上げる。【ギャランティ・レイピア】の攻撃を放棄――」

 剣士は銀の剣を天に刺すようにして、斜めに掲げる。銃士は跳躍すると柄の辺りに飛び乗った。そして剣先目掛けて細い光沢の道を走ると、ギリギリのところで飛び上がる。鬼を見下ろすよう形で銃を構える。


 【不敵銃士の師範】攻撃力1900(1600+300)

 

「バトルフェイズ。【不敵銃士の師範】で【豪傑な獄卒】を攻撃――」

 舞い上がった銃士は狙いを定める。


 【不敵銃士の師範】攻撃力1900

    vs

 【豪傑な獄卒】攻撃力1700


熟練弾道撃アリュール・マスター・スナイプ!」

 ライフルから放たれた弾丸は、怪物の体を貫通した。


 スパイクの累積ダメージ:3100(1200+1900)


 岳積の勝利

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