第45話 45 披露宴、読んで字のごとく昔は実行されていたらしい。

「ごらんのとおり、私は一歩間違えればストーカーと思われるような人でしょう。

 私たちからの愛の告白はお色直しをしてからお話しします。」


 白の装束から色を付ける行為。

 その家の色に染める行為から自分たちの愛を主張するのはとてもいいことだ。

 これからの暗示であり、過去はもう関係ないことを示す。

 余興にて、大方の観客は味方につけた。

 後の大家主たちを納得させるのは彼ら次第だ。


 お色直しまでは時間がかかる。

 その間に、葵さんに文句を言われてた。


「もう、突然練習に無いこと話すんだから、ついていくのに精一杯だったよ。」


「ごめんごめん。」


「それ、謝る気がないよね。」


 そう謝る気は一切ない。

 形式上のものだ。


「こういうことができたんだな。

 結果論だが、リハーサルのとき行った内容ではここまでみんなが一つになれなかったと私は思うがね。

 葵さんもそんなに怒ってやらなさんな。」


 オトンは俺を擁護するが、葵さんは怒ったままだ。

 当然と言えば当然なのだろうけれども、前世の間柄、仕事でこういうことはよくある。

 よくあるのは接客という立場だろうか。


「私もそう思うわねえ。

 あの手のアドリブは社会で生きるわ。」


「お母さんまで擁護するの!

 私大変だったんだよ。」


 まだ拗ねてる。


「私はそもそもが台本のない仕事だから、わかるけど、視聴者、見ている人の言葉から対面して、ある程度どういう反応をすればいいのか考えちゃわないでやっちゃうけど。」


 そもそも配信者の芽衣さんは、直感的に動いているためすべてを共感するのは難しいが肝となる部分の共感はできる。

 

「話は代わるけれども、中々良い作り方をしているね、栄養素をきちんと閉じ込めた調理法だね。」


「一応披露宴の料理も互いが食べるモノらしいからねえ。

 有名どころの先生監修のもと、娘たちがいつも食べているものをコース料理にしたみたいね。」


「豪華な料理にする披露宴の方が数多いですが、昔ながらの披露宴という感じで親しみがありますね。」


 そもそもの披露宴の料理が、サラダチキンとかではないが、家庭料理に近しいものばかりだ。

 ピーマンの肉詰め、ロールキャベツなどなど、元となった料理がなんとなくわかる。

 もちろんコース料理にふさわしいように見た目や詰め物のランクが二つ上を行っている。


「新しい家庭を披露するという意味では結婚式の披露宴では家庭料理を用いられるからね。

 江戸時代でも、とある職業の家庭では煮っころがしを披露宴でテストされたみたいだよ。」


「へー。って騙されませんよ!」


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46 理想の身体


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