第33話 33 文学とは日本人の美徳である
「なんだなんだ、事後じゃないのか。」
「オトン、セクハラやん。」
これからのストーリーを葵さんと談義しているとオトンが覗きに来た。
ベッドが乱れていないことを確認すると、少し残念そうな顔で感想を口にした。
オトンの言いたいこともわかる。
ここまで御膳立てして、据え膳食わぬは男の恥とやらはないかと。
いやさあ、一人暮らしとからならわかるけど。
家族のいる場所でやるのってマナー違反じゃない?
葵さんは預かっている身だし、オトンのことだから親御さんにOK貰った上で行っているからいいんだろうけど、一発かまして来た娘さんの家族の気持ちが伺いしれない。
「まあまあ、そんなこと言うなよ。
オトンだって、オトンのオトンにせがまれてやったんだから。
社会進出をしたいが結婚自体はするんだろ。
親を安心させてくれや。」
オトンは笑いながら話すけど、今の若者に対して推し進められても困るだけでしょう。
今の人は二極化している。
40代になっても童貞、処女か。
10代のうちから捨てているかの二択だ。
「いやいや、そんなことされても困るでしょう。
互いのペースをつかまないと。
それに葵さんにも夢があるでしょう。」
「はい?
それは結婚することですか?」
「ちがうちがうそうじゃないよ。」
「うーん、なんでしょうか。
小説家としては大成できたとは言えますし、まだ公には発表していませんがドラマ化とアニメ化が決定したので仕事もこれから増えていく予定ですよ。」
「あれ?
忘れちゃった?
昔見た漫画に出てくる小説のこと。」
葵さんと楽しく談義した一つの会話のテーマ。
互いにそれを作ってみたいという意思があった。
よくある異世界モノでその中に出てくる小説。
世界最低の駄作になる魔法が込められていて、それが解けると世界最高の小説になる。
物書きとして、二つの物語を書留めて、魔法が解けると自身の最高傑作を読んでもらえる。
言うならば鍵をかけた特別な宝箱を開けるような感覚を小説に込める行為。
空想上の産物と今もなお思っているところがあったけれども、書いてみたい。
そういう欲は互いにあった。
「でも、あれは作れないですよ。
魔法がないですし。」
「うん、でも似たようなのは作れるよね。
ちょっとそれに関する前段階として作ったものがあるのだけれど、まず服を着てくれるかな。」
「私は退散するが、これが葵さんの着替えだ。
今からおっぱじめてもいいぞ!
孫は5人は見たいな。」
そこは二人か三人だろ。
って思ってると葵さんは顔を真っ赤にしながらこちらを見てきた。
…官能小説のノリかよ!
「津、月が綺麗ですね。」
「…今はまだ昼だよ。」
「あ。」
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34 閑話 新婦
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