第28話 28 姉弟喧嘩はEろいと言えるのか?ラスト

「そんなに笑えるところあったの?」


「いえ、わかりませんが、なぜか笑ってしまいました。」


「一郎は私のものだー渡さないゾー。」


 オトンの蛇にらみを脱出し、姉はまた、俺にもたれかかってきた。

 さすがに重いわ!

 もうめんどい!

 人様の前だからって関係なしだ。

 戦争じゃあ!


 抱きかかる初姉に対して、一本背負い!

 何回も飛び掛かられれば意地でも技を覚えるわ!


「愛の力をなめるなあ。」


 無理矢理足を曲げて着地、その反動で乳房が揺れ俺の顔面に迫り狂う。

 そして気づく、この姉、発情してやがった。

 起きてやがる。

 先端が起きてやがる。

 硬いイシツブテ付きのゴム鉛。

 もっと簡単に言うなら日本伝統石入り雪玉みたいなもん!

 顔を横からねじ込ませて、突起物から避ける。


「そんなひ弱な力だからお姉ちゃんが心配なんだぞー。」


 首を捻ったことで視界がぶれた。

 死角から足を持たれて、初姉バスターを掛けられる。

 だが、俺の体はプロレス技に負けるほど固くないぜ。


「え?

 柔らか....」

 

 力をかけ切ったと思った瞬間スカッた。

 肩で思いっきり抱きしめ過ぎた、足首をかろうじてつかむことはできたが力が十分に入っていない。

 肩から抜け出した一郎は重力に沿って落ちていく。

 これは、抜かれる!


「下の子なめんな!」


 初姉の考えの通り俺は手を思いっきり捻って回転をかけ、足で顎を思いっきりぶつけた。

 多少たじろいだ初姉には致命的な隙。

 体を戻すために足を地につけた瞬間、初姉の軸足に手を回して回転するように立ち上がり、立場を逆転させる。

 初姉の倒れる力を利用して俺が立ち上がった。

 初姉は俺よりも固い。

 それを利用して逆に一郎バスターを極めてやった。


「い、痛い!」


 下着をつけていないため、露出しては犯罪になってしまう部分が見えそうになってしまう。

 股開きは全てのスポーツに通用する重要な柔軟運動を怠った結果だ。

 おとなしく受け入れろ。


「そろそろ離してやれ。

 初にむかつくのは解ってたし、これで初もいい加減わかったろ。

 いつまでもお前たちのものになるわけじゃないんだ。」


「う、うわーん。」


「まったく、もう初姉は力ばかりにカマかけるからそうなるの。

 必要なことは必要な分だけ、ほどほどにしておかないといつか刺されるよ。」


 涙を流しても、彼女はあまり反省をしない。

 一郎をかわいがることを生きがいとしているのが初の人生だからだ。

 他に趣味らしい趣味も持っていないのも問題かもしれない。

 推しにガチ恋してストーカーするオタクと言ったところか。


「うらやましい。」


「「は?」」


 葵さんの言葉に対して俺、一郎とオトンは一瞬理解できなかった。


「葵さんのところはこんなに騒がしくないのか。」


「うちらが特殊な家族だったのかな。」


「私の親は、そこまで子どもには興味を持っていませんでしたから。

 シングルマザーと同然のようなタイプだったので。

 陸奥さん家のような家族全員が一丸となっているのは初めて見ましたよ。」


 あー。

 オトンのようなタイプは前世で言う昭和に当たる時期で形成された幸せな家族の一例。

 テレビが普及し、幸せな家族の象徴を放送するようになったからというのが一般的か。

 

 今は個人の意思を尊重するのが美徳とする若者が多いから、葵さんのような家族が多くなってきている。

 父親の年はいくつかは聞いていなかったが、オトンよりは若いのだろう。

 男性は結婚したら大抵ハーレムを形成して種馬のようになる。

 種さえ出せれば年齢は関係ないし、女性がそれだけ働ける社会とも言える。


「だからうらやましいと思いましてね。」


「うらやましいか。

 ならお姉さんのことはより一層祝福できる家族になってもらわないとね。」


「はい!」


 ご飯をみんなで食べたころには葵さんと家族(初姉を除く)は打ち解け合っていた。」

,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,...........................................................................................................................................,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,

次回

29 拘束された姉、約束された安らぎ


sturaimudou

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る