第5話 5  ハーレム形成において大事なのは絶対的な安心感を得させることらしい

「あなた、今夜、私としない?」


 俺が買い物に失敗した日。

 俺はオトンに説教をされていた。

 んで、その合間だったのだが、オカンと別の妻の人。

 異母の人、名前は遠藤 護(名字は基本子や結婚した女性は母方の性を名乗る)って人がムラムラしていたのか、話に無理矢理割り込んできた。


 割り込んできたのは良いのだが、今、話すこと?

 妻が複数居るせいか、会話の空気を物おじせず主張してくることはしばしあったけど、そういうときってアレの日なんよね。

 そ、排卵前。

 ムラムラパワー全開で死ぬほどムラムラしてくるらしい。


 つまり、俺は救われるのか?


 結論。


「ったく、誘うのはわかったが、後5分待て。」


 お説教は短くなった!

 パパンパッパッパー!

 やったやった!


「いいか、ナンパした女性はおそらく排卵が始まりそうな女性でかなり溜まっていたと思われる。

 大抵、その日の女性の犯罪率は増えるって教えられていると思うし、女性自体も犯罪を起こさないようにムラムラしたら、家の中に留まるのが普通だが、その女性は若かったんだろ。

 まだ乱れやすい時期だし、そういった人も増えることもあるからきちんと返送するなり、香水をつけるなりして刺激しないようにしろと言ってきてるだろ。」


 香水というのは男性フェロモンを抑制するタイプのモノで、独身男性集団はみんなつけている。

 他にも予防線はいくつも用意されており、一番安価で効果が出やすいのが香水というだけなのだが、独身でまだパートナーを見つける気が無い人は香水をつけるのがマナーとされている。


 暗黙の了解ってやつ、若い人ほどこれを護らないケースが多く、犯罪に発展することが多い。

 かくいう俺も、リモート大学生活による引きこもり期間が長かったのですっかり忘れていた。

 オトンもそのあたりを解っていたのか厳重注意だけで良いと思ったのだろう。


「あい。」


「このままだとお見合いでもさせるか。

 マッチングアプリとかお前はやらないからなあ。

 少しは安心させてくれる人を見つけてくれ。」


 無論近親交配が遺伝子学的に忌避される世界なので姉ズはダメ。

 しかし、気を許せるのは姉ズだけ。

 姉ズはそろそろ結婚していてもおかしくない年頃だけど、俺に構ってばかりで結婚していない。

 結婚しろとオトンは言っているが事実婚で良いと思っている。


 んなこと言っている時点で結構やばいけどね。


「無理。

 姉ズを説得して。」


「....はあ、まあいい。

 ただ、この時期に結婚相手を見つけておかないと、色々と大変になるからな。

 独身男性のコミュニティに入っても良いが、あまりお勧めはしないぞ。

 社会的信用度は薄いからな。」


「オトンの話したいことはわかったけど、社会的信用度って意味だと女性よりの考えじゃない?

 男性より女性の方が多いからその意見が出るのは解るんだけど、それだったら社会的貢献度が男性だと種馬しかなくなっちゃうじゃん。

 他の事業なんかのことも考えると男性の社会的貢献度に関しては全体的に見て低いと俺は思うよ。」


「女性を安心させるのが男性の主な仕事だからな。

 子どもを安心して育てられる環境を整えるのが男性の仕事だ。

 それにあたって、女性や子どもの気遣いも必要だし、専業主夫になったほうが圧倒的に社会に貢献しているだよ。」


「いや、だから答えになってないよね。

 オトンは男性の社会的貢献度種馬しかないっていってるやんけ。」


 なんか火が付いた。

 ガラにもなく前世の知識からのイラつきを覚えてしまった。


 昭和家庭内家主術の1つ。

 給料直払い頑固おやじ。


 大黒柱、ともいうべき支柱の人間を目指したいのが今の俺の流儀かな。

 もともと陰キャだからその手の人を目指すことが不思議に思うかもしれないが、家族の大黒柱の頑固おやじは元々陰キャだ。

 泣くことはほとんどせずに、険しい表情のみをして、家庭の上座に座るのは仕事をしてきた人そのもの。

 仕事ではプライベートなことを話すことがあっても、家庭内では殆ど弱みを見せることのない。

 人を信用しきらず、自分だけを信用すべし頑固なおやじ。


 せっかく怒られる時間が短くなったのに争っても良いと思うくらい、俺には譲れないことだった。

 これもまた若返った。

 大学生での肉体の影響には成っているのだと思う。

 実際、遅めの思春期として大学生に思春期が来るタイプの人も居るにはいる。


 前世の記憶が朧気だったせいで、思春期というのが無かったの今の俺。

 つまり、前世の記憶がはっきりした上で明確な人格形成を行う過程にようやく入ったことによって遅めの思春期、人格と社会性への適応機関に入ったのだと思った。


「んだと。」


「社会貢献っていうのは俺は経済を回すことだと思う。

 オトンの言うそれは将来的には経済を回すことに繋がるけど、あくまでも人材という観点だけであって将来的に、必要な人材が育て上げることを前提としている。

 姉ズは確かに高給取りになってるから、事実経済を回しているし、それなりに良い思いも俺にさせてもらっているから尊敬もしている。

 でもオトン、俺は、自分で経済に貢献したいと思うんだよ。

 自分で直接経済に貢献しないと価値観の押し付けをする教育しかできないとも思うんだ。」


「わかった、お前の話したいことは確かにわかった。

でもな・・、女性との付き合い、特に複数の妻を娶らないといけない時代なんだ。

 複数の人を納得させるにはそれだけ、努力が必要だ。

 自分で経済を回している余裕なんかないんだ。」


「やれている人はいるよね。

 事例があるのに、諦めろっていうのはおかしなことじゃない?」


 オトンはそれこそ、保守的で典型的な昭和の人間と言える。

 革新的な考えを嫌い、古き良きを重んじると言えば聞こえの良い日本人の典型例だ。

 物事に応じた経験は詰ませることはするが、社会性は昔の儘を好む。

 専業主夫となる男性の殆どはこの考え方を持っていると、耳にはするがここまでとは思ってもみなかった。


「お前に何が解る。

 独占されたい女心を掌握し続けることの辛さを。」


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メイン小説

換金スキルとショップスキルでバグ技現代無双〜無限に増える1円玉でスキルを買いまくる~


酔っぱらってダンジョン行ってたらお姉さん持ち帰りしてて朝チュンしてた件~スキル乳化の美肌ボディエステは女性冒険者を虜にする~


こちら二つもよろしければ拝読ください。


次回

6  一人で複数の人を仕切るのはリーダーのすることである。


スライム道

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