9.5・ことばの世界


 


 MRCPはMRCPという姿では存在していません。全てのMRCPは必ず何かの姿を表象しているからです。

 しかしどの表象を彩っても、唯一変わらない要素があります。


 それこそが「心」に他なりません。


 あの虹の海もそうです。黒い液体の正体は「死語」、すなわち言葉の死体でした。ではその周囲を囲う虹色の海はなんでしょうか?

 その海こそが「死語を弔う言葉たち」すなわち「ことだま」です。

 ことだまは死語に嘆き、死語を弔い、そして葬るのです。

 人間とことだまは高次元空間を介して互いに繋がっています。ことだまは心を持つのです。そのゆえに人間の責任を問うべく集い、また免責を示すために離れるのでした。

 虹の海に浮かぶ山と深く沈む穴は言語の感情が造り出した、人類の道徳意思を可視化する、ことだまの感情地形に他なりませんでした。

 

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