4.5・新たなる創世記、或いは進化論

 本来「性」のあり方は一つであり、それこそが女性なのだ。

 

 女性の性分化とそれによる男性の出現は本来ならば途轍もない異常事態だったが、余りにも男性が増えすぎた為にそれが常識となり異常とは認知されなくなった。

 

 性別のない「意識ある者」の時代において、情念と現実は一体であり価値判断は成立していなかったが、性分化した「生物」の時代において、もはや現実は情念と一致しておらず、意識や身体の外部にある現実は「操作」の対象となった。


 ラディカルフェミニズムとは女性の意見を現実に反映させることを是とする思想である。

 女性の意見に全てを従えさせるとは、よりよきものの在りし日の「現実と情念の一体化」を目指す回帰の思想なのだ。

 

 男の存在は本来の在り方から外れた異常事態でしかないから、その意見を考慮する(現実に反映する)必要はないのである。

 

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