第20話 神獣様の加護・・・
キュービの里の奧で神獣と出会ったレイ達は他の聖獣の場所を教えてもらおうとしたが、神獣からの返答は「教える事はできない」だった。
「なぜですか?」
「それが、決まりだからだ。我は神の代行者。誰かを贔屓する事はできん。」
まじか~・・・言ってる事はわかるけど、これは教えてくれる流れだろ。イベント的にも・・・どうする?このままじゃ無駄骨だぞ。
「レイ。それならここの里のキツネと新たに契約すればいいじゃねぇか。キュビ程ではないにしろここの里のキツネ達は聖獣だ。レイに取ってもメリットがあるんじゃねぇか。」
「たしかにフェニックスの言うように、この里の者ならレイドールと新たに契約する事はできる。更にいえば我の力で聖獣の珠にしてそこの小娘に渡す事もできる。」
「それは・・・」
たしかにそれは考えていた。だけどキュビがいなくなったから次。っていうのはさすがに違う気がする。それにマリーだってそうだ。確かに聖獣の珠があれば力を増やす事ができる。だけど、封印された聖獣はどうなる?3年で死ぬんだぞ。それに、封印されたままっていうのもかわいそうだ。できるなら他の方法を取りたい。
「うむ。さすがはレイドールじゃな。」
「えっ?」
「お主の心を読ませてもらった。ここでお主が里の者を九尾の代わりに連れて行こうとすれば我がお主を殺していただろう。」
まじか!?試された?・・・でも、という事は神獣様のお眼鏡にかなったという事か・・・。なら何か褒美があるのか?
「我は教える事はできぬが、長には話した事があるじゃろ。」
「はっ!?もしやこのダンジョンに封印したエンキの事ですか?」
「エンキ?」
「うむ。このキュービダンジョンの地下60階に神獣様が封印した猿の聖獣がおると聞いた事がある。」
「猿の聖獣・・・それに封印って。」
「そこまでは私もきいてはおらんのじゃ。」
「まあそれぐらいならいいじゃろ。そうだ。我がここの地下60階にエンキという聖獣を封印しておる。」
「どうして?」
「エンキに頼まれたからじゃ。アヤツは人族との関わりを嫌っていてのぉ。まあそれで我が封印したのじゃ。定期的に力を与えておるから死ぬことはないからのぉ。」
「そこに行けば新たな聖獣と契約できるのですか?でも人嫌いなら行っても意味がないんじゃ・・・」
「そこは安心してよい。レイドールならヤツも気に入るだろう。」
それでも地下60階か・・・俺のしってる知識でも地下50階までだ。それに、地下60階って事は魔物のレベルが120?今すぐ行くのは、さすがに無理があるか・・・
ある程度、このダンジョンでレベルは上げるけど、他の聖獣と契約してから臨んだ方が賢明だな。
「わかりました神獣様。今すぐは難しいかもしれませんが必ずエンキと契約にきます。後、わかる範囲で良いのですが、他の聖獣のいる大陸とかも教える事はできないのでしょうか?」
「そうじゃな。フェニックス、九尾、フェンリル、シルバードラゴン、それと今でてきたエンキ以外にこの世界には12体の聖獣がおる。
どの大陸にいるかは教える事はできんが、バランスよく生息しているとだけ言っておこう。後はレイドールが自分で見つける事だ。聖獣マスターなら、自ずと出会うだろう。」
「ありがとうございます。」
「それと、我の加護を授けておこう。聖獣契約程大幅に能力が上がる訳ではないが、レベルの上限と能力が僅かに上昇する。我以外の神獣も各大陸にいるから会いに行くのもようかもしれんな。」
レベルの上限が上がるのか。それは素直にうれしいな。どれぐらいだ?150ぐらいまで上がるのか?それってマリーにも適用されるのか?どうなんだろ?
「安心せい。ローズマリーにも我の加護を授けよう。ちなみにレベル上限は125になる。能力の上昇は約1割だな。」
なるほど。4体の神獣に加護を貰えば最大レベルは200までになるんだな。てかそれって強すぎじゃないのか?レベル200に聖獣12体と契約すれば単純に6倍の上昇に神獣4体で更に4割アップだろ。想定レベル1280⁉レベル100カンストで聖獣4体と契約してた時の4倍じゃん。えっもしかして他の魔王ってそんなにしないと勝てないレベルなの・・・いやさすがにそれはないか・・・
「ありがとうございます神獣様。」
「よいよい。これぐらいは問題ない。それより聖獣達を頼んだぞ。聖獣はこの世界になくてはならない存在だ。決して絶滅させることがないように。もし絶命したら・・・」
「したら?」
「まあ任せたのだ。レイドールよ。」
なんだよ。その意味深発言は・・・気になるじゃん。まあ言ってくれないならしょうがないか。とりあえず、聖獣探しを再開だな。あと10日ぐらいはダンジョンでレベル上げができるからどれだけ進めるかだな。さすがに地下60階までは無理でも行けるところまでは行きたいな。
「・・・わかりました。」
神獣との話を終えたレイ達は、キュービの里でモフモフを堪能して一夜を過ごすのだった。
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