第4話 チートなミストと聖獣マスター
「レイよ。妾はそろそろゴブリン狩りに飽きてきたぞ。」
「たしかに。ここ1週間ゴブリンばっかり倒してるもんな。でもそのおかげでレベルも上がったし、お金だって貯まったんだぞ。」
「それはそうなのじゃが・・・」
「まあでも予定通りレベル10にはなったからそろそろ次に向かうか。」
「そうじゃろそうじゃろ。で次はどこに行くのじゃ?」
強くてニューゲームにはなってないけど、ここはゲームでも初期の街だ。ゲームの流れで進んでいくのも悪くないな。
イベント系は全て終わってるだろうから何も起きないとは思うけど、ゲームの流れに沿っていけば確実に強くはなる。
まあ少しずつではあるけど・・・
「この北大陸には大きな大聖堂があるんだ。そこは仲間のマリーの出身地でもある。そこを目指そう。そこなら情報も集まってるだろう。」
「大きな大聖堂か。楽しみじゃの。」
マリーは俺が死んだと思ってるだろうから早く会って生きてる事を伝えたい。実際、聖獣の力はないが今の俺は、魔物の場所がわかる力と、魔法の力がある。
攻略推定レベルを無視しても進めるはずだ。それにゴブリンをちまちま倒してもレベルは上がらない。
時間もない事だし、安全を確保しながら格上の魔物と戦うのも必要だな。
「なら買い出しだな。ミストのおかげで収納魔法が使えるから、食料やアイテム類を買い込もう。まだまだ容量は心許ないが、一人分でいいから1ヶ月分ぐらいは入るだろ。」
「そうじゃな。妾もレイと食事を楽しみたい所じゃがこればっかりはどうしようもないのぉ。」
「俺のレベルが上がって魔力とMPが増えれば実体化も可能なんだろ?焦らなくても大丈夫さ。なんなら聖獣と契約したらステータスは上がるぞ?」
「聖獣なぞ、そこらへんにゴロゴロいる訳ないじゃろ。そういえばお主は聖達とどこで出会ったんじゃ?」
「各大陸だな。」
どこにいるんだろうな〜。フェニクに、リル、キュビにシルドは。契約解除じゃなくて封印だから生きてるのはわかるんだけど、どこにいるかまでは感じとれないんだよな〜。
また無事に生きてるとわかってるだけでも安心ではあるけど。
「今思えばお主は4体の聖獣と契約してたんじゃな。聖獣は1体でもかなりの力じゃ。それも4体とは。妾が負けるのも納得じゃな。」
「まあ勇者よりチートだったからな。」
「それにしても勇者達はバカじゃな。レイ抜きで他の魔王達をどうやって倒すつもりなのじゃ?」
「ん?ミスト、今なんて?」
「勇者達はバカじゃな。って。」
「いやその後。」
「ん?他の魔王をどうやって倒すんじゃ。か?」
「他の魔王!?魔王ってミスト以外にもいるのか?」
「何を言っておるんじゃ。妾は魔王四天王の中でも最弱じゃ。当然他の3人は妾よりも強いぞ。」
何そのよく聞く四天王の中で最弱ってフレーズは。しかも自分で言うのかよ。でも待て。魔王が4人・・・そんな事はじめて聞いたぞ。
「まじか・・・」
早く聖獣を見つけて力を取り戻さないとやばいんじゃ・・・せっかくハッピーエンド目指してるのに、バットエンドに更にバットエンドになるぞ。
「まあ奴等は気まぐれじゃ。妾が死んだからと言って報復するような奴等ではない。すぐに攻めてくる事はないから安心せえ。しばらくは妾の土地を巡って3人で取り合いをしてるじゃろ。」
時間ってあるようでないんだな・・・魔王が居なくなって平和になったからゆっくり行動してもいいかと思ってたけど考えを改めないと。
準備を終えたレイは大聖堂へ向かい移動した。道中、盗賊を見つけて討伐したり、魔物を見つけては魔法をぶっ放したりと、順調に進んで行った。
話し相手がいるってありがたいな。一人ならこうもスムーズにいけてないだろうな。それに、ミストの魔物の場所がわかる能力はかなりチートだ。
ミストのおかげで100%先制攻撃できる。MP回復薬を準備していればほぼ無傷で魔物が倒せるもんな。おかげでレベルは20まで上がった。
聖獣と契約していない俺のステータスは、勇者達と比べると少ない。カンスト状態で比べると倍ぐらい差があった。
だが聖獣マスターの強みは聖獣と契約する事で、素のステータスを5割増やす事ができる。4体の聖獣と契約していた俺は、素のステータスの3倍だ。勇者よりも当然強かった。
更に聖獣も戦闘に参加する。敵が1回攻撃すると、俺は聖獣達入れて5回も攻撃できるのだ。聖獣マスターのチートぶりがよくわかるだろう。
ミストのおかげで苦しい序盤もうまくやれている。ミスト様々だ。できれば早く聖獣を取り戻したいし、リアルなら新しい聖獣と契約できるかもしれない。
ミストより強い魔王が3人もいるんだ。ハッピーエンドの為にも頑張らないと・・・
そんなこんなでレイは、北大陸最大の街、フランダール大聖堂へとたどり着いた。
一方で、ファンドラを出てフランダール大聖堂へと向かっていたローズマリーはすでにフランダールへと到着していた。
二人が再び出会うのは近い・・・
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