第2話 準備
まひろ「というわけでひいろ君。お出かけしない?」
ひいろ「何がというわけなの?」
まひろ「この前話してたお仕事の件で、ちょっと行きたいところがあってね」
ひいろ「やっと準備ができたんだね!僕に似合ってそうな仕事って何かなってずっと気になってたよ。」
まひろさんの仕事についてずっと気になっていたので、前のめりになって聞く。
まひろ「グイグイ来るわね...まあいいわ。ひいろ君はVtuberって知ってる?」
ひいろ「もちろん知ってます。前の家に住んでいる時に作業とかしながらずっと見てたんだ。...ってもしかして...」
Vtuberは知っている。ずっと家に籠っていたひいろは、色々なジャンルのVtuberを見ては、時間を忘れるくらい熱中していたくらいだ。嫌な予感がしておそるおそるまひろの返答を待った。
まひろ「そういうこと。ひいろ君にはそのVtuberになってもらおうと思ってるの」
ひいろ「ええええええええええ!?僕トーク力とかないよ?見てたからわかるけど、Vtuberってトーク力とかすごかったり、ゲーム上手だったりですごい方ばかりじゃん!ほんとに僕似合ってる?嘘?全っ然自信ないんだけど...」
まさかの仕事内容に驚愕し、自分がVtuberとなって未来を想像してみる。何を話せばいいかわからず、しんとする僕。当然静まり返るコメント欄。減っていく同時接続者数。期待外れだと嘆くまひろ。再び独りぼっちになる僕。。。。地獄だ。
まひろ「大丈夫よ。ひいろ君ならできるわ。容姿も声も雰囲気も可愛いんだから。私が保証するわ」
そうだ。一度は命を捨てようとした身。それをまひろさんに救われ、まひろさんのために生きると決めた身。まひろさんからこんな声をかけられたひいろにとって、返答は既に決まっていた。
ひいろ「わかりました!やります!うまくできるかはわかりませんが、精一杯がんばります!」
まひろ「いい返事ね!というわけで出かけるわよ!」
ひいろ「へ?どこに」
まひろ「説明が足りなかったわね。ひいろ君には私と同じVtuber事務所に入ってほしいから、一回事務所に来てほしいの。ひいろ君の写真と音声データを送って事情を話してみたら、ぜひうちにほしいだって。」
今聞き捨てならないことを言ったような。。。
ひいろ「...音声データ?...写真?」
まひろ「うん。あなたに気づかれないように写真をいっぱいとってたの。音声データは寝ているときに写真をとってたら、何か言い始めたからすかさず取ったわ(キリッ)!聞いてみる?」
ひいろ「こっわ!こわいまひろさん!ぜんっ全気付かなかったよ!?どうやって写真とったの?」
まひろ「それはきぎょうひみつ♡」
ひいろ「って寝ている間ってそれ寝言だよね!?僕寝言で何言ってたの?あ、やっぱり恥ずかしいからいい!!!だからいいって!!あああああ!」
まひろ「事務所の件はいいわね?」
ひいろ「ああもうわかったよぉー...早くまひろさんの力になりたいし(顔が熱すぎるよぉー!)」
まひろ「よろしくね!あとはパソコンも新調したいからパソコンショップと...あ!あと!ひいろ君服が少ないから、ショッピングモールであなたに似合う衣服も買ってあげる(ジュル...」
その時のまひろの異様な雰囲気と鋭い視線にひいろは気づかない。
ひいろ「なにからなにまでありがとう!僕、はやくまひろさんの力になれるように頑張るね!」
家族に捨てられた潔癖男の娘(成人済)、拾ってくれた女性に恩返しするため、Vtuberとして本気を出す しあこむ @shiakomu
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