アイスが食べたいな

 アイスが食べたいな。僕はふとそう思った。


 今は午後三時だ。宿題も午前中に終わらせたし、コンビニにアイスでも買いに行くか。


 なにしろ、暑いし、アイスでも食べないと干からびてしまいそうだ。


 干からびてる場合じゃないぞと思い、僕はコンビニにアイスを買いに行くことにした。



      *



 さて、どんなアイスがいいだろうか。僕はコンビニまでの道を歩きながら考える。

 小豆の入ったアイスも美味しそうだし、チョコ味のアイスも美味しそうだな。

 でもやっぱり王道はバニラ味のアイスかな。


 僕は歩きながらどんな味のアイスを食べようかと考える。

 この考えている時間も楽しいんだよなー。


 コンビニに着き、自動ドアが開いた瞬間、一気に店内の冷風を浴びる。正直言って、この瞬間は至福といっても過言ではない。ムシムシ蒸し暑い中で、この冷風を浴びるのは、多分何にも代え難い心地よさがあると思う。


 アイスが売っているコーナーに行き、扉をスライドしてアイスを手に取る。


 やっぱり今の気分はバニラアイスかな。僕はカップタイプのバニラアイスを手に

取る。


「おっ、夏弥じゃん。ここで会うなんてな、やっぱりお前もアイスを求めてここに

来たのか?」


 ふと聞き慣れた声がした。振り向くと、海斗がいた。


「海斗……お前も、アイスを求めてここに来たのか」


 僕は海斗に言った。


「おう、やっぱり暑い夏はアイスだろ!」


 海斗はニカっと笑って言った。

 そして僕が手に取ったバニラアイスを見て


「おっ、夏弥はバニラアイスか。美味いよなーバニラアイス。口溶けがまろやかだもんな」


 と、うんうんと頷いて言う。


「夏弥がバニラアイスなら、俺はチョコアイスだな」


 海斗はチョコアイスを手に取った。


「会計したら、これ一緒に食おーぜ!」


 海斗は僕にそう言って、レジに向かって歩いて行った。


 まったく、いつも元気だな、海斗は。


 僕は海斗の背中を見ながら、そう思っていた。







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