高校進学

「あやめっち!明日から、高校生やん」

「あっ、イセっち!今までずっと、ありがとう」


「えっ?」

「いや、中3の間、いろいろ、うちのこと見守ってくれてて」


「あ、うんっ!伊勢さんも喜んでるみたい」

「えっ?伊勢さんも」


「うんっ!伊勢さんからも、ありがとうって言われた。あやめっちも府立高校に進学することになって」

「へぇー、そっか」


「だから、うちも、これで、あやめっちとも、お別れだ」

「えーっ?」


「今日で、あやめっちとも、お別れだ。明日からは、もう、あやめっちの前には、あらわれない」

「うわっ!そうなん?」


「うんっ!なにより、あやめっちの行く高校の近くには、伊勢さんの伊勢寺あるし」

「えっ?伊勢寺?」


「あやめっちは知らないかもやけど、伊勢寺は、伊勢さんの暮らしていた庵やねん。今は伊勢寺っていうお寺になってる」

「えーっ?高校の近くに伊勢寺なんてあったのか?」


「うんっ!伊勢さんも、伊勢寺の近くの高校に、あやめっち来ること望んでたみたい」

「えっ?」


「明日からは、うちでなくて、毎日、高校の近くで、伊勢さん、あやめっちのことを見てるからね。じゃあね、ほんまにバイバイ」

「うわーっ!ありがとう!イセっち!」


「うちも、ありがとう!あやめっちにまた会えて良かったわ。うちも、あやめっちのこと、ずっと、好きやったんやでー」

「うちも、前からイセっちのこと好きだったような気する」


「ほんま?」

「なんか、そんな気する」


「うわっ!嬉しいわー」

「イセっち、ありがとう」

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